マルチドメインとは:WordPress複数サイトを1レンタルサーバーでDNS設定で持つ

2023年8月15日

マルチドメインとは

ブログやホームページで配信をしていると、似たテーマや違うジャンルのWEBサイトや2つ目のサイトやブログを立ち上げたくなったりしませんか?でもそのたびに、レンタルサーバーを個別に契約すると費用が掛かってとっても大変ですし、ドメイン変更も手間がかかりますよね。

そこでレンタルサーバー契約が1つでも、複数サイトを持つことができるマルチドメイン」が便利です。当ページでは、マルチドメインについて解説します。

マルチドメインとは?WordPressでマルチサイト化

マルチドメインとは、1つのレンタルサーバー(WEBサーバー・メールサーバー)で、例えばABC.comとDEF.netなど複数のドメインで複数URLを運用することをいいます。サービスによっては、「バーチャルドメイン」や「独自ドメイン○個」などと表現は異なる場合はありますが、いずれも「マルチドメイン」に該当します。

マルチドメインイメージ図

マルチドメイン イメージ図

ココがポイント

レンタルサーバーでは普通、1つのIPアドレスとドメインが割り当てられ、1つのみWEBサイトを運用します。
ところがマルチドメインを利用すると、1つのレンタルサーバー(同じIPアドレス)上で複数のドメインが設定でき、複数の独自ドメインのブログやホームページを運営できる、まとめることができる、また複数ドメインのメールアドレスで送受信できるということになります。

マルチドメインのメリット

マルチドメインを使用する長所は、サイト毎にレンタルサーバー契約をする必要が無く、WordPressを複数インストールできるので、大幅なコスト削減効果が最も大きくなります。

ほとんどのレンタルサーバーではマルチドメインは基本料金プランに含まれていますので追加料金は必要ありません。次に管理の効率化・簡略化が挙げられます。

さらに、1つのレンタルサーバーで1サイトのみを運用しますと、ディスク容量や利用帯域に大幅な余裕がありますので、複数サイトで利用することで、レンタルサーバーのリソースを無駄なく使うことも出来ます。主なメリットを下記にまとめてみます。

  • 複数サイトを1つのレンタルサーバーで運用できる
  • レンタルサーバー料金を抑えられる
  • 複数サイトの運用・管理負担が減る
  • レンタルサーバーのリソースを有効活用できる
  • 別サイトでプラグイン・テーマなどの検証が行える
  • 複数のレンタルサーバーの機能を覚える必要なし
  • コピー機能があれば横展開が楽にできる

マルチドメイン機能を使えば複数サーバー・複数契約が必要ないため、別々の会社の機能を覚える手間をかける必要がありません。

また設定も簡単で、ディレクトリ構成変更など難しい作業もhtaccessを編集することはありません。レンタルサーバーサービス(例えばConoHa WING)によっては「コピー機能」があり、WordPressサイトを別ドメインサイトへ簡単にコピーすることができます。

集客に成功したサイトや構成を同じにしたいサイトを別ドメインで新規に構築するのは大変、コピー機能があれば、例えばABC.comサイトをDEF.netドメインにクリック一つで投稿記事などをコピーすることができ、横展開も容易に行えます

今、公開している既存サイトがhtmlサーバーの場合、思い切ってWordPress化したい時はマルチドメイン対応のレンタルサーバーに変更することも選択肢の一つです。移動は大変ですが、高速サーバーに移るとSEO対策や低コストでの複数サイト展開など様々なメリットがありますよ。
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マルチドメインのデメリット

マルチドメインにもデメリットはありますので、運用を始める前に知っておきましょう。

  • 1つのサーバーなので障害時の影響が大きい
  • リソース不足やネット回線の帯域不足がありうる
  • 複数ドメインを購入・継続するコストがかかる
  • サービスによってはドメイン数上限がある
  • ドメイン更新忘れに注意・期限切れが起こりうる

特に大きいデメリットは、レンタルサーバーに障害や故障、ネットワークに不具合があった場合、全サイトに影響が出る可能性があります。また、特定のサイトへのアクセス集中があるときは、自らの他サイトへの影響の他、あまりにもアクセス数が多い場合、共用レンタルサーバーの規約で全サイトに接続できないなどアクセス制限がかかる場合もあり得ます。
また、ドメインを複数取得すると維持コストがかかることと、更新忘れが起きやすくなる点にも留意が必要です。

レンタルサーバー/WordPress(ワードプレス)の関連

マルチドメインとレンタルサーバー・ワードプレスの関係

マルチドメインが何か?が分かったところで、次に「ワードプレス」と「レンタルサーバー」との関係について確認してみましょう。

レンタルサーバー WordPressWordPress」(ワードプレス)とは、PHPで開発されデータベースのMySQLを使用する、誰でも無料で利用できるCMS(コンテンツ管理プログラム)であり、オープンソースプログラムです。
言い換えれば、“ただ”でブログやホームページが作れる機能やシステムを誰でも使えて、気に入らなければ自由に改変したり、機能を追加したりすることもできる・・システムともいえます。

「レンタルサーバー」とは、インターネット上で公開・運用するWEBサイトやワードプレスなどのCMS、データベースを格納するスペース、設置場所です。

つまりマルチドメインとは、レンタルサーバー内で複数のWordPressサイトを複数ドメインで運用できる機能のことで、関係性としては下記のイメージとなります。

マルチドメインとレンタルサーバー・ワードプレス関係性イメージ図

マルチドメインとの関係性イメージ図

マルチドメイン機能を使えば、ドメインごとにレンタルサーバーを契約する必要が無く、コスト削減や管理の負荷減少に役立ちます。なお、ワードプレスはデータベースが必須ですので、レンタルサーバーサービスの「マルチドメイン数」だけではなく、「データベース数」にも注意して契約するようにしてください。

サブドメインなど類似語との違い

マルチドメインと混同しがちな言葉で、「サブドメイン」「サブディレクトリ」「マルチサイト」があります。

マルチサイト、マルチドメイン、サブドメイン、サブディレクトリの違い

●「サブドメイン」とは、ドメインの先頭部分に任意の英数字などを付けたドメイン名のことです。

●「サブディレクトリ」とは、ルートディレクトリ・ドメイン直下より下層に作られたフォルダのことです。
いずれも、ドメインに関連する別サイトを増やしたい時、拡張したい、一つのドメインを有効に使いたいときなどに使われます。

●「マルチサイト」とは、マルチドメインやサブドメイン、サブディレクトリなど複数サイトのことです。マルチサイトとマルチドメインは似ていますので、間違わないように注意したいところです。

似た言葉で「ドメインマッピング」があります。これは、Wixなどのブログサービスで、自分で取得した独自ドメインを利用する機能を言います。このように、ドメイン関連では類似の専門用語がありますので間違わないように覚えておきましょう。
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マルチドメイン設定

マルチドメインを設定する

それでは早速、マルチドメイン機能で複数サイトを立ち上げてみましょう。マルチドメイン機能を契約中のレンタルサーバーで利用するまでの大まかな流れです。

  1. ドメイン提供会社からドメインを購入し取得
  2. 購入したドメイン提供会社管理画面でDNS設定を行う
  3. レンタルサーバーでマルチドメイン設定(複数ドメイン登録)
  4. 複数ドメインそれぞれにWordPressインストール・設定

①マルチドメインを利用するには、まずドメインの購入・取得が必要です。

ドメインの取得方法ですが一般的には、ドメイン提供業者から購入します。販売業者により様々なドメインの種類・料金がありますので、ブログやホームページの目的や予算に合ったドメインを選ぶことが重要です。

②ドメイン取得後は、ドメイン提供会社の管理画面にログインし、ドメインを契約中のレンタルサーバーで利用できるようにDNS設定(ネームサーバー設定)を行います。
レンタルサーバーが公開しているネームサーバー名(IPアドレスではないことに注意)を入力すれば数分から数時間で反映されます。

お名前ドットコム ネームサーバー設定

お名前.com 管理画面 DNS設定

③次に、レンタルサーバー管理画面で複数のドメインを追加する(マルチドメイン設定)操作を行います。マルチドメインの設定方法はレンタルサーバー会社ごとに異なりますが、基本的にはレンタルサーバー管理画面で比較的簡単に設定ができるようになっています。

レンタルサーバーConoHa WING マルチドメイン設定例

ConoHa WING マルチドメイン設定例

④最後に、各ドメインごとにWordPressをインストール・設定を行います。レンタルサーバー会社によっては「簡単インストール機能」がありますので初心者の方でも容易に作業を行えます。
実稼働に向けてセキュリティ強化のためSSLや、効率的な管理を行うためユーザー設定で複数アカウントなど確実に設定するよう進めてください。表示されないなど問題がある場合はサポートに問い合わせてみましょう。

さらにWordPressの管理画面では、各ドメインに対して独自コンテンツを作成・配信するために、ドメイン別のサブディレクトリやサブドメインを設定することも可能です。サブディレクトリ名には各サイトの主題に関連する名前を付けてユーザーに分かりやすくアピールすることも出来ます。

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まとめ

マルチドメインはコストをかけずに、複数サイトを運用できるメリットの多い機能です。ブロガーやアフィリエイター、副業などの個人利用から、できるだけコストを抑えたいフリーランス、個人事業主、そして企業まで複数のサイトでアピールしたい、収益を上げたいユーザーには最適です。

複数サイトは今は常識

2つ以上のブログ・WEBサイトを運用する方は今や当たり前のようにいらっしゃいますし、さらにSNSを組み合わせて情報発信や新規ビジネスを行っている方も珍しくありません。
現在利用しているレンタルサーバーがマルチドメイン対応でなければ移行して、「マルチドメイン」を活用しインターネット上の可能性をさらに広げるアプローチを行いましょう。

記事作成者プロフィール

佃 直毅
佃 直毅
株式会社ストレン 代表取締役社長

情報セキュリティマネジメント
2級知的財産管理技能士
ネットショップ実務士レベル2
おすすめ情報サイト「マイベスト」レンタルサーバー・ドメイン監修

当サイトはホスティング業経験から、レンタルサーバー・ドメイン・ワードプレステーマ/テンプレートを中立の視点から比較評価し、始める・切り替える方の立場に立った情報をお届けします。

【仕事略歴】早稲田大商卒。東証一部精密機器メーカー、レコード会社を経て2000年 動画配信レンタルサービス「ストレン」起業、マイクロソフト認定パートナーとしてサーバー構築・運用・PR等に携わる。2015年、東証グロース上場企業・お客様と合意の上、上場企業へユーザー移行後に同ビジネス終了、以降はITコンサルティングとして支援に。

【趣味】プロ野球/MLBなどスポーツ、映画・音楽好き(主に洋楽)