WordPressでブログやWEBサイトを始める時、利用するテーマ(テンプレート)を無料版にするか、それとも少し頑張って有料版にするか、悩む方も多いのではと思います。
このページでは、無料版と有料版それぞれの長所・短所など違いを確認して、どちらがいいのかを検証します。
無料版テーマのメリット・デメリット
それでは無料版のWordPress(ワードプレス)テーマから見てみましょう。主な長所は下記の通りです。
無料版テーマのメリットは?
- 初期・継続含めすべて無料でコストがかからない
- 変更・差し替えが気軽にできる
- コード改修を自分の意志で行える
- サイト数に限らず無限に利用できる
- テーマの導入・運用や改修を練習・マスターするのに最適
無料版の最大のメリットは、その名の通り「無料」であること。
コストが一切かかりませんので、導入や変更・差し替えなども費用を考えずに自由の行うことができます。また、有料版テーマは、改修した場合サポート対象外になることも多く、その点無料版にはもともとサポートがありませんので、自分や自社の思いのままテーマを改修・改造することもできます。さらに、利用できるサイト数に制限がありませんので何十サイトでも立ち上げることも可能です。
以上のように、無料で自由に差し替え・改修が行えて複数サイトでも運用できますので、テーマを覚えるため、技術を磨くためには無料版から始めることは少なからずメリットがあります。
それでは逆に、デメリットを確認しておきましょう。
無料版テーマのデメリットは?
- 選べるテーマの種類・機能が少ない
- サポートがない
- 著作権表示が消せない、もしくは削除が有料
- セキュリティリスクが有料版に比べて高い
- アップデート時に問題が起こる可能性がある
ワードプレステーマの無料版は、有料版と比べるとはるかに数が少なく、機能も少ないか無料版にのみ機能制限がある場合がほとんどです。
そしてサポートがありませんので、コード改修で困ったときは自力で解決する方法を取らなければなりません。
また、サイトは自らのブランドなどを広く知ってもらうためのツールですが、無料テーマの場合は、提供社の社名・ブランドなどを掲示しなければならないことがほとんどで、削除できたとしても有料のケースが多くあります。
さらに、無料版はアップデートや更新がない場合も多く、バグなどセキュリティリスクも有料版と比べると高くなる傾向があります。
ワードプレスやプラグインは頻繁にアップデートされますので、無料版テーマではアップデート時にエラーを引き起こす可能性、表示に問題が発生する可能性も捨てきれません。
それでは次に、有料版テーマをについて確認します。

有料版テーマのメリット・デメリット
有料版のテーマは、コストをかけるだけあって多くのメリット・長所があります。
有料版テーマのメリットは?
- 選べるテーマ数が豊富
- デザイン重視、SEO対策重視など目的別で選べる
- 簡単な操作で高いデザインのサイトが構築できる
- 検索エンジン上位表示対策に強い
- ウィジェットが充実している
- 独自のプラグインがある場合もある
- サポートがある、充実している
有料版テーマは、国内外の製品がとても多く選ぶのに困るほど。ブランドを高めるために高いデザイン性のテーマを選ぶか、高速表示で検索エンジン上位表示を獲得して売り上げ・収益アップを目指すか、その両方をバランスと取るか、など目的に合わせたテーマを探して購入することができます。
制作面で見ても、ウィジェット数が格段に増えて表現方法が充実したり、有料テーマを販売している企業が、そのテーマのみで利用できるプラグインをリリースしているケースもあって、デザイン・機能両面の充実は無料版テーマを大きく上回っています。
そして有料版テーマには、基本的にサポートが付属している場合が多く、困ったときなど相談できる安心感は運用者・管理者にとっては助かります。テーマによっては、一度購入すれば永久サポートが付いたり、新バージョンがリリースされたとき追加料金なくバージョンアップが可能であったりというメリットもあります。
それではデメリットを見ておきましょう。
有料版テーマのデメリットは?
- コストがかかる
- 複数サイトで利用できるか、ライセンスに注意が必要
- 継続コストがかかるライセンスもある
- 無料版と比べて設定が難しい場合もある
- コード改修でサポート対象外になる場合も
有料版テーマの最大のデメリットは「コスト」がかかること。海外製品では2$(200円程度)という破格のテーマもありますが、国内の相場としては7,000円~20,000円程というところでしょう。基本的には購入時のみ支払いが発生します。
そして、テーマによってライセンスが異なりますので購入前には注意が必要です。1サイトのみのライセンスか、複数サイトで利用可能か、複数サイトで利用する場合の料金は異なるのかなど、それぞれのブランドの公式サイトなどでチェックしておきましょう。
また、海外製品でよくみられるライセンスで継続利用するときに、年額料金がかかる場合もあります。海外製品を導入する場合は、サイトを翻訳して確認するなど慎重に進めてください。
テーマに依りますが、高機能なテーマは初期設定が難しい場合、管理画面が増えて煩雑になる場合もあります。これは高機能の裏返しということですので購入前に知っておきたいポイントです。また、ソースコードを改修した場合、サポートから外れるケースもありますので注意しましょう。

無料版・有料版テーマの比較
それでは、無料版・有料版テーマのメリット・デメリットを一覧で比較できるように表にしてみました。×・△・〇・〇・◎の5段階で評価しています。
項目 | 無料版テーマ | 有料版テーマ |
コスト | ◎ | ×~△ |
機能性 | △ | ◎ |
種類の豊富さ | △ | ◎ |
デザイン性 | △ | △~◎ |
SEO対策 | △ | △~◎ |
カスタマイズ | △~◎ | 〇~◎ |
複数サイトでの利用 | ◎ | △~◎ |
必要なスキル | 初心者 高い技術力が必要な場合も |
普通程度以上 |
セキュリティ・安全性 | ×~△ | 〇 |
サポート | × | ◎ |
有料版テーマは、目的・ライセンスにより幅がありますので△~◎の項目が複数あります。
特に注意しておきたい点は「必要なスキル」です。無料版テーマ=初心者向けと考えがちなのはコストがかからず機能が比較的少ないのでシンプルな点ですが、一方でサポートがなくデザインなどが崩れたときの対応やセキュリティが問題となりますので、安心・安全な継続運用のためには問題が起こったときに対処できる一定の技術力が必要です。

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まとめ
はじめてワードプレスでブログやサイトを始める方は、まず無料版テーマで導入・運用を経験して、そののちに目的に合わせた有料テーマを購入してサイトを展開することが王道でしょう。
ただ、無料版テーマではデザインやSEO面で劣ることもあり、ビジネスで結果を出すには少し時間もかかります。この場合は、無料版と有料版を並行して運用し技術を磨きながら実利も目指す、もしくは思い切って有料版のみで早くビジネス展開を図ることも選択肢の一つです。
自分や自社の目的、そしてゴールに見合うテーマでサイトを運用してください。
記事作成者プロフィール

- ITサポート/コンテンツプロデュース
-
株式会社ストレン 代表取締役社長
MCP,2級知的財産管理技能士
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当サイトでは、ホスティングビジネスの経験を踏まえ、ユーザー視点でレンタルサーバーやドメイン販売サービス・WordPressテンプレートの評価をし、これから始めたい・切り替えたい方の立場に立った記事・比較情報をお届けします。
【仕事略歴】早稲田大商卒。東証一部精密機器メーカー、レコード会社を経て独立後、2001年に動画配信(ストリーミングサーバー)レンタルサービス「ストレン」を立ち上げ、マイクロソフト認定パートナーとしてサーバー構築・運用からPRまで全般に携わる。2015年、東証グロース上場企業・お客様と合意のもと、上場企業サービスへ移行していただき同ビジネス終了、以降はITサポート・コンサルティングとして企業の支援に。
【趣味】プロ野球/MLBなどスポーツ、映画・音楽好き(主に洋楽)