「過去5年間で最大の飛躍」グーグルが新検索システム BERT(バート)の導入を発表

2019年10月29日

「過去5年間で最大の飛躍」グーグルの新検索システム BERT(バート)とは?

今や、サイトの集客には欠かせない検索エンジンですが「過去5年間で最大の飛躍を実現し、検索の歴史で最大の飛躍を遂げる」ともいわれる新検索システム【BERT】(バート)の英語版への導入を2019年10月25日にグーグルが発表しました。

Understanding searches better than ever before

If there’s one thing I’ve learned over the 15 years working on Google Search, it’s that people’s curiosity is endless. We see billions of searches every day, and 15 percent of those queries are ones we haven’t seen before--so we’ve built ways to return results for queries we can’t anticipate.

Google Published Oct 25, 2019

【BERT】(バート)とは?

BERT」とは、Bidirectional Encoder Representations from Transformersの頭文字をとった略称で、2018年にグーグルがオープンソースとして発表している自然言語処理技術のこと。ネーミングは、セサミストリートのキャラクター バートをもじったという説もあります。

今までの検索システムと違い、話し言葉のような自然な言語を理解するシステム、と思えば分かりやすいですね。

何が違うか?をわかりやすく

言語処理技術、機械学習、NLPなど専門用語が多いニュース解説などでは少しわかりにくいため、シンプルに今回のポイントをご紹介します。

  1. 話し言葉のような自然な言語で的確な検索ができる
  2. 未知の検索クエリでも的確な検索ができる
  3. 1つの言語で学習したことをほかの言語で応用できる

1:話し言葉のような自然な言語で的確な検索ができる

グーグルのサイトで紹介されてる分かりやすい例で見てみましょう。

「2019 brazil traveler to use need a visa - 2019年に、アメリカ行くブラジルの旅行客に、ビザは必要」という文章を検索窓に入力すると、以前の結果とBERT導入後の結果が比較できます。

BERTで検索すると文脈を理解した検索結果が表示される

出所:Google

この検索クエリで重要なポイントはto ,アメリカへ なのですが、BERT導入前はこれが理解できずアメリカ市民がブラジルへ行く時のページを返してしまっています。
導入後は、ブラジルのアメリカ大使館ページを返しており改善されていることが確認できますね。

このほか、例えば日本語でいえば「橋」と「端」など複数の意味をもつ単語、あいまいな解釈ができる文章などを理解して、より精度の高い検索結果を表示できるようになってます。

2:未知の検索クエリでも的確な検索ができる

未知の検索クエリは15%グーグルで検索されるキーワードや文章の約15%は、過去に検索されたことがない未知のクエリであるとグーグルが公表しました。
「BERT」では、文脈を理解できれば従来のキーワードでの検索結果より、大きな改善がなされたとのことです。

3:1つの言語で学習したことをほかの言語で応用できる

また、英語以外の別の言語でBERTを導入したとき、ゼロからの情報収集だと検索結果に反映するにはかなり時間がかかってしまいます。

学習した英語のモデルを実験的に応用すると、多言語~例えば、韓国語・ポルトガル語など~の検索結果が大幅に改善することができました。

ココがポイント

従来はブラックボックスであった検索システムをメディア向けに公表するなど、グーグルの姿勢に変化が見られます。
ユーザーや関連業者にとっては検証実施や対応が取りやすくなり、オープンな情報開示を継続してもらいたいものです。

どの程度の影響力がある?課題は?

「BERT」はすでに英語版グーグルに導入されており、全体の約10%程度の検索結果に改善が見られました。

しかし、新しいシステムのため「逆に考えすぎた結果を返すこと」、そして「数千人の手による検査・修正が必要であること」もグーグルは10月25日に発表しています。

BERTを導入したグーグルへの対策は?

日本語版への導入時期は未定ですが、いずれ日本国内でも遅かれ早かれ対応が求められます。

より自然な言語を理解する検索エンジンに進化しますので、これまでの「テクニックとしてのSEO対策」という考え方から脱却して、「コンテンツマーケティング=サイト閲覧者に分かりやすく、役に立ち、疑問に的確にこたえるコンテンツの作成を心がけていくこと」がより重要になってきます。

検索エンジン対策としてコンテンツを丁寧に作成すること

細かい点ですが、主語述語の関係性を明確にし、接続詞や助詞を正しく使い誤字脱字をなくし句読点を間違えない、というビジネスとしては至極基本的な作成を心がけていくことで、サイトをご覧になる方にわかりやすいうえに、検索エンジンが理解をするという一石2鳥ですので、ますます明快なコンテンツ作りに精進していきたいものです。

2019年をターニングポイントとして、検索エンジン対策は単なるテクニックが通用した時代は終わり、相手の立場を客観的におもんばかる認識力、さらに心理学的要素も踏まえて分かりやすい文章を作ること、このことが結果として上位表示され、自社へのサイトアクセスを増やし認知度・売り上げをアップすることにつながります。

まとめ

これまでの検索対象がキーワードから、自然な文章に移行することは検索エンジンの解釈力が飛躍的に向上することを意味します。
また、未経験の文章でさえ機械学習で理解するとなると、これからの時代はまさにコンテンツ作成力が検索エンジン対策の要となります。

遠回りをしながらでも識見・さらには人間力を高めて、コンテンツ作成に生かしていけば自ずと良い結果につながるのではないでしょうか。

記事作成者プロフィール

佃 直毅
佃 直毅
株式会社ストレン 社長
情報セキュリティマネジメント
2級知的財産管理技能士
ネットショップ実務士レベル2
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当サイトは10年以上のホスティング経験からレンタルサーバー・ドメイン・ワードプレステーマを中立の視点から比較評価し始める・切り替える方の立場に立った情報をお届けします。

【仕事略歴】早稲田大商卒。東証一部精密機器メーカー、レコード会社を経て2000年 動画配信レンタルサービス「ストレン」起業、マイクロソフト認定パートナーとしてサーバー構築・運用・PR等に携わる。
2015年、東証グロース上場企業・お客様と合意の上、上場企業へユーザー移行後に同ビジネス終了、以降はITコンサルティングとして支援に。