長期間レンタルサーバーを借りていると、「表示速度の遅さが気になる・・・」、「SSL(サイト暗号化)に対応していない」「スペックのわりに割高?」など、機能やコストが時代に合わなくなっていることが時々あります。
そこで「さあ、レンタルサーバーを変えよう!」と思い立ち行動に移そうとすると「レンタルサーバーとドメインってどうやって結びついているの?」「どこから手をつけていいか分からない・・」などという課題が立ちふさがります。
そこで今回は、レンタルサーバーの引っ越しに重要な情報のひとつ、ドメインの中でも特に世界中で取得率が高い.comや.net、.infoや.bizなどのgTLDドメインの移行・引越しについて解説します。
gTLDドメインとは?
ドメインにはいろんな種類があって、日本国内に住所を持つ個人や法人・組織が取得できる汎用JPドメイン(例:~.jp)、世界中のだれもが取得できるgTLDドメイン(例:~.com、~.net など)、そして日本国内で登記を行っている企業が登録できるco.jpなどの属性型(組織種別型)JPドメインがあります。
ドメインの種別によって、引っ越し方法・移行方法が異なりますので、今回はcomやnet などgTLDドメインで公開しているホームページを新しいレンタルサーバーに引越しする想定で作業を進めていきましょう。
gTLDドメイン移行のイメージ
A社のレンタルサーバーをC社レンタルサーバーへ引っ越し(移行)し、B.comドメインを利用し続けると想定します。
なおドメイン管理はいままでA社が一括して請け負っていましたが、A社レンタルサーバー解約を考えていますので、別のドメイン管理会社D社にドメイン管理を変更します。
1:ドメイン管理会社を変更する(移管)
一番最初のステップとして、ドメインの管理会社を今のA社からD社に変更する移管手続きを行います。
移管と移行の違いについて
移管とは、ドメインを管理する会社を移す(移管)すること。
移行とは、サイト・ドメインをすべて新サーバーに移すこと。
当ページではこの意味で利用しています。ドメイン管理会社によっては当サイトとは異なる意味で利用している場合がありますので、意味を理解して作業を進めましょう。[/st-kaiwa6]
以下の場合、移管ができない場合がありますので注意が必要です。
- ドメインの有効期間が終了している場合
- 移管元事業者がロックをかけている場合
- 新規登録や前回の移管から60日が経過していない場合
- Authorization Code (Auth Code) を取得していない・不明な場合
- ドメインの有効期限が9年以上残存している場合
- 紛争中のドメイン
step
1ドメインオースコードの取得
まずは現在、ドメイン管理するA社からAuthorization Code (Auth Code)を取得します。移管先ドメイン管理会社で必ず聞かれますので、管理画面などで事前に取得しておきましょう。
step
2ロック関係、60日ルールなど事前チェック
次に所有するドメインが、上記1~6までの移管制限に引っ掛かっていないか確認しましょう。また、WHOISと呼ばれるドメイン情報公開用データベースに登録されている管理者メールアドレスが利用できるか確認しておきます。
step
3ドメイン移管申請実施
そして移管先のD社に事前に新規登録し、D社管理画面からドメイン移管申請を行います。設定方法は各社異なりますので各社サイトで確認してください。移管に伴いドメインオースコードが必要になります。
ムームードメイン 「移管申請の流れ」
スタードメイン「.jpや.co.jpなどのJPドメイン以外の場合」
step
4移管を承認する
移管元、もしくは移管先ドメイン管理会社よりWHOISの管理者メールアドレスに、移管を承認確認するメールが届きますので承認しましょう。
step
5ドメイン移管作業実施・完了
ドメイン管理会社間でドメイン移管作業が行われ、2日~10日程度で移管は完了します。
ココがポイント
この設定では、B.comのドメイン管理会社を変えただけで、A社のレンタルサーバーを使っていることに変わりがありません。
2:移行先のレンタルサーバーを契約する
ホームページを移行するために、新しいレンタルサーバーを契約しましょう。
仮に、決定したレンタルサーバー会社をC社とします。管理画面から操作性や機能などを確認した後、支払いを済ませて正式に移行作業を行います。
ココがポイント
A社レンタルサーバーでメールを利用している場合は、レンタルサーバー(DNS)切り替え後はメールが利用できなくなります。事前に、C社のレンタルサーバーにメール設定を行っておきましょう。
3:ネームサーバー(DNS)切り替え作業を実施
いよいよ、A社のレンタルサーバーを辞める時が来ました!
ドメインを管理するD社管理画面にログインし、ネームサーバーをA社指定のサーバーからC社指定のネームサーバーに変更します。
反映は数時間から数日かかりますが、その後はブラウザでホームページにアクセスすると、A社レンタルサーバーではなくC社レンタルサーバーにアクセスできるようになります。
ホームページは、A社レンタルサーバーのデータをC社レンタルサーバーにコピーする、新規に作成するなどを行ってください。
またメールも、A社レンタルサーバーを経由しなくなりますので、事務所内のメールソフト設定でメール受信・送信先を変更するなどの設定変更をして、メール送受信ができることを確認しましょう。
4:移行元レンタルサーバーを解約
移行がすべて完了したことを確認しましたら、A社レンタルサーバーを解約して作業は終了です。
C社レンタルサーバーで、サイト運用を始め売上げアップや認知度向上を進めましょう。
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まとめ
基本を覚えれば他のドメインでも応用できる
現実的な問題として、いままで運用を続けているレンタルサーバー・ドメインを移行することは、諸々の作業も発生しとても手間がかかります。また、実際ホームページを移転し公開するまで時間もかかります。
しかしながら、レンタルサーバーの機能は改善と大幅に向上し続けており、価格も下がることでコストパフォーマンスが数年前のものとは大きく異なっています。
移行による時間的なデメリットよりも、サーバーを刷新することで表示速度アップ・機能強化・コストダウンというメリットが上回るようであれば、レンタルサーバー変更はビジネスの効率アップとSEO対策として最も有効な手段の一つです。
レンタルサーバーを変更するときは、このドメイン引っ越しの情報をご活用ください。
記事作成者プロフィール
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株式会社ストレン 社長
資格など:情報セキュリティマネジメント
SEO検定1級、2級知的財産管理技能士
ネットショップ実務士レベル2
おすすめ情報サイト「マイベスト」レンタルサーバー・ドメイン監修
当サイトは10年以上のホスティング経験からレンタルサーバー・ドメイン・ワードプレステーマを中立の視点から比較評価し始める・切り替える方の立場に立った情報をお届けします。
【仕事略歴】早稲田大商卒。東証一部精密機器メーカー、レコード会社を経て2000年 動画配信レンタルサービス「ストレン」起業、マイクロソフト認定パートナーとしてサーバー構築・運用・PR等に携わる。
2015年、東証グロース上場企業・お客様と合意の上、上場企業へユーザー移行後に同ビジネス終了、以降はITコンサルティングとして支援に。