「60歳で定年を迎えても、体や頭は普通に動くしどうすれば?」
「今までの経験を活かして働ける方法はないものか?」
「時間に縛られず、自由な生活の中で月3~5万円稼げれば・・」
会社の定年をまもなく迎える50代後半から、退職後の60代、そして70代のシニア世代の男性や女性・高齢者の働き方が大いに注目されています。当ページでは、シニアが時間に縛られず、会社員時代の経験を活かして収益を上げられる働き方について考えます。
こんな方におすすめ
- 会社員時代、ITには直接、間接で接していた
- ITや映画・音楽など語りたいビジネス・趣味がある
- 比較的粘り強い性格、じっくり物事に取り組める方だ
定年後の3つの働き方
努めている会社の定年が60歳と仮定した場合、貯金がたっぷりあって年金まで働かなくていい方は別として、大きく分けて3つの働き方があります。
1つ目は、今努めている企業の雇用延長でそのまま勤め続ける、あるいは人脈や転職エージェント、ハローワークなどの公的機関などを通して再就職をすることです。
サラリーマン時代の経験を活かせる、給与面や社会保険がしっかりしているメリットがある反面、時間の拘束や、再雇用の場合は現役時代よりも給与が下がるといったデメリットもあります。
2つ目は、パートやアルバイトで勤務地まで出向いて働くことです。
正社員のような縛りはなく、時間はある程度融通が利きやすい、働きたかった業界で仕事ができるといったメリットはありますが、給与が安い、雇用が安定しないなどのマイナス面もあります。
3つ目は、独立やフリーランスなど個人でビジネスを行うことです。最近はクラウドソーシングも普及し、スキルさえあれば自宅でリモート環境で仕事をすることも可能です。ブログを立ち上げ、シニアブロガーになる方も増加しています。
自分の行いたいプランニングで働ける自由度の高さと、やりがい、手に職があり健康なうちはずっと続けられる継続性などメリットがありますが、仕事や収入が安定しない、会計や事務も自分で行わないといけないといったデメリットもあります。
メリット・デメリット比較表
3つの働き方の長所と短所を比較しやすいように、一覧表でまとめています。
項目/働き方 | 1:再就職等 | 2:パート等 | 3:独立/フリー等 |
---|---|---|---|
給与など安定性 | ◎ | 〇 | △ |
会計・事務処理 | ◎ | 〇 | △ |
通勤の手間 | × | × | ◎ |
自由度 | △ | 〇 | ◎ |
やりがい | 〇 | △ | ◎ |
継続性 | △ | △ | 〇 |



独立・フリーで収入を得る方法
先ほど解説した3番目の働き方の独立・フリーランスについて深堀します。
60歳が定年の企業に勤めて、65歳から厚生年金の受け取りが始まる場合、定年退職した60歳から65歳の間は生活のため収入を得る必要があります。
60歳に退職し、すぐに独立してサラリーマン時代の収入を得ることは至難の業ですので、3番目の働き方の独立・フリーランスを選ぶ方は、貯金を支えとしながら、月額数万円程度の収入を得ることをまずは目標にしたいところです。
定年後ビジネスはリスクを避ける
独立・フリーランスでできる主なビジネスと、リスクの相関関係を見てみます。
この働き方で最も避けなければならないことは、リスクを取りすぎてしまうこと、つまり収入を得ようとして無理をしすぎて資金を投入しすぎる・借り入れを増やしてしまうことです。
このリスクを避けるためには、実店舗やオフィスを借り、人材を採用しないとできないビジネス・ショップは行わないことと、インターネットで完結するビジネスを前提とします。
次にネット完結ビジネスとして、以下の項目を上げリスクの大きさを比較してみます。この中からできるだけリスクを小さく収益が上がる可能性があるビジネスを選択したいところです。
ネットビジネスとリスクの相関図表
4つの代表的なインターネットビジネスとリスクの大小、メリット・デメリットが分かる相関図表です。
項目/種類 | 1:ネットショップ 物販中心 |
2:せどり | 3:ONLINEレッスン スキルシェア |
4:ブログ広告 |
---|---|---|---|---|
始める容易さ | △ | △ | 〇 | ◎ |
必要な資金 | ▲ | △ | 〇 | ◎ |
リスク | ▲ | △ | 〇 | ○ |
収益可能性 | 〇 | ○ | ◎ | ◎ |
具体例 | ハンドメイド アクセサリ等 |
メルカリ等で 中古品販売 |
ヨガ/英会話教室 リモートコンサル サイト制作など |
クリック広告 アフィリエイト |
商品を仕入れたり、制作するコスト・時間が必要な①「物販系ネットショップ」と、フリマアプリやオークションで中古を販売する②「せどり」は、仕入れ商品の売れ残りや発送時のトラブルなど、実物を扱うだけにリスクが高くなります。
一方で、インターネット経由でノウハウや技術を提供する③「オンラインレッスン・スキルシェア」は、無形のサービスですので仕入れコストはありませんが、競合が多く書籍の購入やセミナー参加など自分への投資が欠かせません。
④「ブログ広告」は、ホームページを立ち上げて広告を貼り、クリックもしくは自社サイト経由で販売が行われた場合に手数料収益が入るビジネスモデルですので、リスクはサイト立ち上げ費用ぐらいです。しかし、このビジネスも競合が多く収益化まで時間がかかるという点も留意しておく必要があるでしょう。

定年後始めたいビジネスランキング
各要素を踏まえ、定年後に始めたいビジネスをランク付けしました。(弊社独自見解)
ビジネス別ランキング
1位:ブログ広告
競合が多く、収入を得られるまでに時間がかかるという点はありますが、ホームページがあれば始められる手軽さとコストがかからない超低リスク、収益が上がり始めればホームページで稼げるというビジネスモデルで1位としています。さらに、自宅やリモートでできますので、さらに高齢になっても外出することなく続けられるというメリットもあります。
定年後で時間があるという方は、本業として、あるいはアルバイトなどと並行してじっくりと取り組んでもよいでしょう。
2位:オンラインレッスン・スキルシェア
自分が教えるスキルシェアやオンラインレッスンも、仕入れや在庫リスクがゼロなので低リスクは魅力的です。自分の能力で働いている、収入を得ているという点では、最も実感できるビジネスでもあります。
しかし1位の「ブログ広告」と違って、自分自身の時間を取られる・自分が稼働することや、競争相手が多くスキルアップや勉強を続けて、差別化をしなければなりません。
3位:せどり
中古品を仕入れて、フリマアプリなどで販売し差額を得る「せどり」は、実物の仕入れが必要でコストがかかること、売れる商品を仕入れる目利き力が必要なことに気を付けたいところです。
一方で、マニア向けなどニッチな商品で高額の売却もあり得ますし、SDGsなど環境問題の高まりがあり、時代の流れに乗っているビジネスですので、予想以上の面白さや社会への貢献・恩返しという側面もあります。
4位:物販系ネットショップ
インターネットビジネスと言えば、最初に挙げられるのが「(物販系)ネットショップ」です。
自分が売りたかった商品をインターネット経由で国内外に販売できるという夢を実現できますし、軌道に乗れば複数店舗展開や、実店舗を出店するという広がりも期待できます。
しかし、新品の現物仕入れのコストや在庫リスク、競合他社との販売・価格合戦、ネットショップ運営の勉強が欠かせませんので、4つのタイプのビジネスでは最もリスクが高く、ランキングとしては4位としています。
以下の項目では、最もリスクが低い「ブログ広告」をさらに詳しく見てみます。定年後で時間がたっぷりある方に向いていて、会社員時代の経験やノウハウを活かせるビジネスでもあります。

ブログ広告ビジネスとは?
会社員時代に、直接ITに関わっていた方はもちろん、利用者として間接的に接していた方もピンとくる「ブログ広告」ビジネスとは、ホームページに広告を貼り付け、サイト閲覧者がその広告をクリック、もしくは広告経由で申し込みや購入など“成果”があった場合に、手数料(コミッション)が収入として入ってくるビジネスモデルのことです。
掲載する広告は2種類
「ブログ広告」ビジネスは、ホームページに広告を貼る、といういたってシンプルなビジネスですが、そのホームページ・ブログに掲載する広告には大きく分けて2種類あり、それぞれメリット・デメリットがあります。
1:クリック型広告
ブログに掲載された広告をサイト訪問者がクリックするだけで、1クリック1円~が収入として入ってくるビジネスです。代表的なものとして「グーグルアドセンス」(Google AdSense)があります。
メリットとしては、クリックのみというハードルの低さで収益を上げやすいこと、自動的にブログジャンルに合わせた広告を配信してくれることなどです。
デメリットは、単価が低いため大きな売り上げになりにくい、グーグルの審査を通らなければ広告掲載ができないことなどです。
2:アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)と呼ばれる広告提供会社と契約をします。自分(アフィリエイターとも言います)のブログに合ったジャンルの広告を選んで掲載し、サイト訪問者が広告をクリックし、事前に決められた成果(申し込み・登録・購入など)が発生した場合のみ、手数料(コミッション)を得られるビジネスです。
代表的なサービスとして、「A8.net」(エーハチ)、「afb(アフィb)
」、「もしもアフィリエイト
」があります。
メリットとしては、自分が好きなジャンルや商品・サービス広告が選べること、クリック広告と比べて単価が大きく収益も増えること、実績を上げると単価が上がる場合があることなどです。
デメリットは、成果のハードルが高いため収益を得るのに時間がかかる、小遣い稼ぎという軽い気持ちで始めると続かない、広告毎に審査がある場合通らないと掲載できない、複数のASPがありそれぞれと契約しなければならないなどです。
シニアブログを始めましょう
ホームページを立ち上げてシニアの方がブログを始める時に必要なものは2つです。
- ホームページ・ブログ用ツール・インフラ
- ブログ用記事ネタ
ツール・インフラ
①ホームページを始める時に必要なホームページ・ブログを作ったり、設置したりするための場所が必要になります。
主なものとして、レンタルサーバー(ホームページ・ブログを置く場所)、ドメイン(ホームページ・ブログのネット上の住所)があります。
さらに、ホームページ・ブログを無料で構築できるシステム「WordPress」(ワードプレス)を利用すれば、比較的簡単にプロ並みのブログを立ち上げることも出来ます。
ビジネスとしてブログを始める時は、有料レンタルサーバーでスタートすることをお勧めします。安いもので月額100円台から利用できますので、コストもさほどかかりませんよ。

ツールやインフラには、無料ブログから有料レンタルサーバーまで幅広くありますので、下記ページでさらに詳しく解説しています。
WordPressでアフィリエイトの始め方
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ブログ広告収入で稼ぐ:ワードプレスで収益化 WordPressでアフィリエイトの始め方
ビジネスマンやサラリーマン・主婦や学生の副業・サイドビジネスが注目され、YouTubeやnoteの広告収入・投げ銭・有料記事販売などが多く利用されている中、初期投資がほとんどかからずネット上でホームペ ...
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記事ネタ
②ブログは、記事を書いてインターネット上で公開し、ユーザーを集めなければなりません。ブログには大きく分けて雑記系・特記系があります。
雑記系ブログとは、日記や主婦ブログ・60代ブログや70代ブログのように、日々起こったことを書き綴り、とくにジャンルにこだわらないブログのことです。
ココがポイント
雑記系ブログは、身の回りに起こった出来事などを中心に書きますので、書き手にとっては記事を作りやすいことがメリットです。サイトを訪問する読者にとっては、幅広い情報を見られるのは長所ですが、逆に焦点が絞り切れず集客が難しいこと、ブログに貼る広告が記事と関連するかどうか、などの課題もあります。
特記ブログとは、例えば育児や教育、資格取得など、ジャンルや範囲を絞って深堀する詳しい記事を書く専門的なブログです。
ココがポイント
特記ブログは、会社員時代の専門分野や、趣味で深めた知識情報に特化して記事を書きますので、情報を知りたい読者が積極的に探して読んでくれる、場合によってはこのブログから商品を購入してくれる、という強い動機にもなります。
一方で、読者やユーザー層が狭くなる、専門分野の広告があるかどうか、という点も考えていく必要があるでしょう。
シニアブログのトレンドは?
第一潮流:現在、60歳代・70歳代など高齢者が公開しているブログは、会社員の現役時代にITを使って仕事をしたことが無い世代が多いためか、誰でも始められる無料ブログを使って、日記や生活、世代ごとのトピック・・・例えば健康や病気、悩み事に年金、節約、一人暮らし、夫や息子・娘など家族やペットなど日々の出来事について、徒然に記述する記事が多く見受けられます。
第2潮流:ITが企業で使われ始めた2000年代前半に、30代中ごろだった会社員等が2023年以降、徐々に退職を迎えます。年金を受け取る65歳まで、あるいはそれ以降も継続して収入を得られるように、ITを活用して専門性の高いブログ運用、さらにはブログ広告ビジネスを展開することが想定されます。
さらに、ChatGPTなど生成AIを使うことで、情報収集や文章構成案作成、タイトル・キャッチコピーの生成も容易になりますで、ますますシニアブログのビジネス利用が増加すると見込まれます。
ココがポイント
WordPressを利用して、ブログを立ち上げて専門知識を深める記事を書き、ブログを運用するには、早めにスタートして検索エンジンで上位表示されること、退職前の50代後半から開始し、退職後まもなく収入が得られるように進めておくことも大切です。
気になるポイントは?
定年退職後の働き方について主なポイントです。
- 退職から年金受給までの間、収入を得る方法を早めに考える
- リスクの高い実店舗、現物仕入れのビジネスは慎重に
- ネットで完結する無形サービスは低リスクだが競合多し
- ブログ広告にはクリック広告とアフィリエイトがある
- クリック広告は収益化は容易だが単価が低い
- アフィリエイトは継続性が重要、収益性は単価により高くできる
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まとめ
一生働ける喜びを
ここまで、定年後の働き方を「ブログ広告」を中心に考えてみました。
これからは人生80年と言わず、100年時代に入ったといってもよく、60歳という年齢はほぼ折り返しに近いと感じる方も増えたのではないでしょうか。
仕事は、単なる収入を得る手段ではなく、社会との繋がりを持つ方法でもあり、そして働くことで顧客が喜び、そして自分も喜ぶ人生の糧でもあります。
定年退職後に、自分自身が持っているスキルや経験を活かして、少しでも長く働くための一助にこの記事が貢献できましたら嬉しい限りです。
記事作成者プロフィール

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株式会社ストレン 代表取締役社長
MCP,2級知的財産管理技能士
当サイトはホスティング業経験から、レンタルサーバー・ドメイン・ワードプレステーマ/テンプレートを中立の視点から比較評価し、始める・切り替える方の立場に立った情報をお届けします。
【仕事略歴】早稲田大商卒。東証一部精密機器メーカー、レコード会社を経て2000年 動画配信レンタルサービス「ストレン」起業、マイクロソフト認定パートナーとしてサーバー構築・運用・PR等に携わる。2015年、東証グロース上場企業・お客様と合意の上、上場企業移行後に同ビジネス終了、以降はITコンサルティングとして支援に。
【趣味】プロ野球/MLBなどスポーツ、映画・音楽好き(主に洋楽)