東証プライム市場(旧一部)上場企業、GMOインターネットグループ株式会社の関連会社であるGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が運営する法人向け仮想専用サーバーサービスが「クラウドVPS byGMO」Vシリーズです。
「Vシリーズ」は仮想化技術「KVM」を導入、LinuxやWindows OSなど多くのオペレーティングシステムから選択でき、ローカル接続で複数台構成のネットワークが構築できる自由さなど、企業ユースに適したスタンダードなVPSです。
2023年1月1日に価格改定実施され、10%のサーチャージ(円安や仕入れコストの上昇に伴う品質維持のための加算金)が追加されています。(*1か月支払い/税込)
対象ユーザー:中級/上級
初期費用 | 月額費用 | プラン | ストレージ |
無料 | 1,186円 * | 1GBプラン | 50GB |
こんな方におすすめ
- Windows OSを利用したい。WordPress特化も検討している。
- 比較的容易に管理ができるサービスが望ましい
- サービスや運営企業の信頼性を重要視している
クラウドVPS byGMO「Vシリーズ」
「クラウドVPS byGMO
」Vシリーズは、数多くの共用・専用レンタルサーバーを運営するGMOインターネットグループ株式会社の関連会社であるGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供しているLinux/Windows OSが選択できるVPSサービスです。
仮想化基盤は一般的に利用されている「KVM」に対応し、SLA99.99%と24時間365日サポートで、安定してサービスを運用したい企業・団体に向けたオーソドックスな仮想専用サーバーです。
「VSシリーズ」との違いは?
クラウドVPS byGMOのブランド名で、複数の仮想専用サーバーサービスがありますので、最初はやや混同しがちですし、公式サイトのリンク先も複数サービスへまたがっていますので、迷うかもしれません。そこで、複数サービスについて確認しておきましょう。
大きく分けて、2021年リリースの新しいLinux系VPSサービス「VSシリーズ」と、当ページで詳しく解説しているLinux/Windows OSが選べる従来からのVPSサービスである「Vシリーズ」の2つがあり、さらに「Vシリーズ」の中にWordPress特化型サービスの「VPS Plesk WPシリーズ」があります。主な違いは下記の表の通りです。
項目 | VSシリーズ![]() |
Vシリーズ![]() |
---|---|---|
対応OS | Linux | Linux / Windows |
ストレージ | SSD | HDD |
仮想化技術 | コンテナ技術 | KVM |
無料お試し期間 | 14日間 | 15日間 |
WordPress特化プラン | × | ○ VPS Plesk WPシリーズ |
Linux系OSで高速環境が望ましい場合は「VSシリーズ」、Windows系OSやWordPress特化型を利用したいときは「Vシリーズ」となります。それでは「Vシリーズ」について見てみましょう。
主なチェックポイントは?
- OSが選べる自由なVPS、複数台構成もOK
- トータル管理ができる管理画面「VPSポータル」と人気の「Plesk」
- 高い信頼性の証、SLA99.99%と安心のサポート
- WordPress特化型のプランあり
1:OS選択、複数台構成もOK
「クラウドVPS byGMO
」Vシリーズは仮想化技術としてKVMを採用、多くのVPSサービスで利用されているハイパーバイザー型仮想マシンです。
Vシリーズの最も大きな特徴は、LinuxだけではなくWindows OSも選べること。
無料のLinux OS、「CentOS」「AlmaLinux」「Rocky Linux」「Ubuntu」「Debian」のみならず、「CloudLinux」そして「Windows Server」を利用することができます。
しかも選んだOSは、サービス提供会社でインストールしてくれますので、ユーザーが手間や時間をかけることなく、ストレスフリーでスタートできます。
一般的なVPSサービスでは、Linux系とWindows系で分かれていることがあり、個別に申し込む必要があります。しかし、Vシリーズは一つのプランでどちらのOSも選択できる効率の良さがうれしいポイントです。
複数台構成が自由にできる
VPSの大きな特徴の一つとして、複数台のサーバーを自在に構成して独自のサーバーネットワークを構築できることが挙げられます。
クラウドVPSでは、サーバー1台によるシンプル構成を基本として、Webサーバー+DBサーバーでWordPressサイトを構築する、アプリケーションサーバーを複数台立てて負荷分散する、DBサーバーを冗長化してデータ保全性を高めるなど、2層~3層構造という複数台構成まで自由に構築し運用できます。
それでは次の項目で、独自管理画面「VPSポータル」について確認してみましょう。
2:「VPSポータル」と「Plesk」
VPSポータルとは?
引用:クラウドVPS byGMO
「クラウドVPS byGMO」VシリーズのVPSを運用するためには、リモートで接続して管理する必要があります。
1~12GBプラン、VPS Plesk WPシリーズで利用できる独自管理画面「VPSポータル」では、ダッシュボードで契約管理のほか、VPSコンソールでサーバー起動・停止までトータル管理、稼働状況詳細の確認やドメイン追加、OS再インストールなどが行えます。
VPSの運用管理に慣れている方は標準の「VPSポータル」で問題なく稼働することができます。レンタルサーバーのように簡単に管理したい、複数人で運用したい方などには、有料オプションの「Plesk」があります。
Pleskとは?
難しいコマンドラインを操作することなく、サーバーを直感的なGUIで管理・設定することができ、様々な機能も追加することができるサーバー管理ツールが「Plesk」です。
グローバル企業Plesk International GmbHが開発・提供し1,100万以上のWEBサイト、そして世界上位100社のサービスプロバイダ(レンタルサーバー・ホスティング業者)の50%がPleskと提携しているほど、広く利用されています。
Pleskはこんな方に向いています
- レンタルサーバーのように簡単に管理したい、コマンドが苦手
- サーバーリソースをプロジェクト単位で割り当てたい
- 複数人で管理権限を分け、サーバー管理を分業したい
3:SLA99.99%と安心のサポート
企業がインターネット上でサービスを提供する前提として、サーバーは極力止めたくないもの。そこで「クラウドVPS byGMO」Vシリーズでは、万が一サーバーが停止などした場合に利用料金を返金するサービス品質保証制度(SLA)を設定しています。
月間のサーバー稼働率 | 99.99% |
対象サービス | クラウドVPS(1契約単位) |
適用内容 | サーバー稼働率が99.99%未満となった場合、 その事実を運営会社に通知したユーザーに対し、 対象サービスの当月分の月額利用料金10%相当金額を返金 |
適用範囲 | (1) 基盤システムの障害発生で仮想サーバーが稼働しなかった場合 (2) 運営会社で管理しているネットワークに障害が発生した場合 |
通知期限 | 障害復旧日から翌月の20日まで |
そしてサーバー運用前や稼働中に障害や問題が発生した時に、相談できる窓口があれば安心感が高まります。「クラウドVPS byGMO」Vシリーズには、平日に電話・メールで相談できる標準サポートと、24時間いつでも電話などでサポートを受けられる有償オプションの「プレミアムサポート」を選ぶことも出来ます。
サポート時間 | 種別 | 電話 | メール |
---|---|---|---|
通常サポート (平日10:00~18:00) |
技術的な問い合わせ | ![]() |
![]() |
手続きの問い合わせ | ![]() |
![]() |
|
時間外サポート (夜間、休日祝日) |
技術的な問い合わせ | - | ![]() |
手続きの問い合わせ | - | ![]() |
|
プレミアムサポート(有償オプション) | |||
サポート時間 | 種別 | 電話(フリーダイヤル) | メール |
プレミアムサポート (24時間265日対応) |
技術的な問い合わせ | ![]() |
![]() |
セキュリティ
有料オプションでマルウェア&脆弱性対策ができる「SiteLock」、サイトのセキュリティを高める「SSL」ではGMOグローバルサイン株式会社のSSL証明書(クイック認証SSL・企業認証SSL・EVSSL)をオプションで利用することが出来ます。
データ保存/バックアップ
データ保存を行いたいときは遠隔バックアップ&リストア「torocca! by GMO」で信頼性は一段と高まります。
プレミアムサポートは初期費用無料、月額11,000円で利用できますが、依頼内容・回数など取り決めがありますので、詳しくは公式サイトを確認してください。セキュリティ・バックアップについてはオプションサービスで補強する形になります。
WordPress特化型のプランあり
管理画面「Plesk」の拡張機能(Plesk Extension)をパッケージ化して、WordPressの運用管理をより行いやすくしたWordPress特化型プランが「VPS Plesk WPシリーズ」です。
データ保全を重視した「バックアッププラン」と、高速表示でユーザビリティの向上を目指す「スピードアッププラン」の2プランがありますので、目的に沿ったプランを選べます。
引用:クラウドVPS byGMO
Vシリーズ料金・仕様について
「クラウドVPS byGMO」Vシリーズの料金と仕様をまとめた表です。
初期費用は無料で最低利用期間は1ヶ月、契約期間は1ヶ月・6か月・12か月から選べます。2023年1月1日に価格改定され、10%のサーチャージと合わせた金額を掲載しています。
項目/プラン名 | 1GB | 2GB | 4GB | 6GB | 8GB | 12GB |
---|---|---|---|---|---|---|
月額料金 * (1か月契約) |
1,186円 | 1,791円 | 3,425円 | 6,268円 | 8,688円 | 13,649円 |
月額料金 * (12か月契約) |
944円 | 1,549円 | 2,880円 | 5,542円 | 7,962円 | 12,681円 |
メモリ | 1GB | 2GB | 4GB | 6GB | 8GB | 12GB |
CPU | 2vCPU | 3vCPU | 4vCPU | 5vCPU | 6vCPU | 7vCPU |
ディスク容量 | 50GB | 100GB | 200GB | 400GB | 600GB | 800GB |
OS テンプレート |
CentOS 7.7/Debian 10.3/Debian 11.2 Ubuntu 18.04/Ubuntu 20.04 AlmaLinux 8.5/Rocky Linux 8.5 |
|||||
- | CloudLinux 7.2 | |||||
- | ・Microsoft Windows Server 2016 Standard ・Microsoft Windows Server 2019 Standard |
|||||
プラン変更 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - |
無料お試し | ○ | ○ | ○ | - | - | - |
* 上段:1か月契約の月額金額。下段:12か月契約の1か月当たり金額。6か月契約・12か月契約は割引あり。
CloudLinux 7.2とWindows Serverは、利用できるプランが限定されていることに注意しましょう。また、CloudLinux 7.2が月額1,650円、Windows Serverは月額5,170円が必要です。
共通仕様一覧表
「クラウドVPS byGMO」Vシリーズの共通仕様を一覧で表示しています。
OS | CentOS 7.7/AlmaLinux 8.5/Rocky Linux 8.5/CloudLinux 7.2/ Ubuntu 18.04/Ubuntu 20.04/Debian 10.3/Debian 11.2/ Microsoft Windows Server 2016 Standard/ Microsoft Windows Server 2019 Standard |
仮想化基盤 | KVM |
コントロールパネル | 独自管理画面「VPSポータル」/ 有料オプション「Plesk」 |
データ転送量 | 無制限 |
グローバルIPアドレス | IPv4アドレス1個 |
ネットワーク | 100Mbps共有回線(ベストエフォート型) |
ローカル接続 | 複数台構成に対応 |
高可用性(HA)機能 | オートフェイルオーバー機能を標準搭載 |
RAID | RAID 6 |
DNSサーバー | プライマリ・セカンダリ利用可能/ 逆引き対応(PTRレコード)/ゾーン数無制限 |
管理者権限 | root権限付与 |
サーバーは国内データセンターで運用し24時間365日有人による監視を実施、サービス品質保証制度(SLA)は99.99%に設定されています。さらに30日間返金保証もあり、非常に高い信頼性がありますので、企業は安心して稼働することができます。
VPS Plesk WPシリーズ料金・仕様
WordPress特化型プラン「バックアッププラン」「スピードアッププラン」の料金と仕様について一覧表でまとめています。
初期費用は無料で最低利用期間は1ヶ月、契約期間は1ヶ月・6か月・12か月から選べます。
項目/プラン名 | バックアッププラン | スピードアッププラン | ||
---|---|---|---|---|
2GB | 4GB | 2GB | 4GB | |
月額料金 *1 (1か月契約) |
4,598円 | 6,083円 | 3,828円 | 5,313円 |
月額料金 *1 (12か月契約) |
4,378円 | 5,588円 | 3,608円 | 4,818円 |
メモリ | 2GB | 4GB | 2GB | 4GB |
CPU | 3vCPU | 4vCPU | 3vCPU | 4vCPU |
ディスク容量 | 100GB | 200GB | 100GB | 200GB |
OS | CentOS 7.6 | CentOS 7.6 | CentOS 7.6 | CentOS 7.6 |
サーバー管理 | Plesk Onyx Web Admin Edition (10ドメイン) | |||
WordPress管理 | WordPress Toolkit | |||
独自機能 | バックアップサービス Acronis Backup(100GB) |
CDNサービス Speedkit (1ドメイン) |
||
プラン変更 *2 | ○ | - | ○ | - |
無料お試し | ○ | ○ | ○ | ○ |
データ転送量 *3 | 無償 | 無償 | 無償 | 無償 |
複数台構成 | ○ | ○ | ○ | ○ |
* 1: 上段:1か月契約の月額金額。下段:12か月契約の1か月当たり金額。6か月契約・12か月契約は割引あり。
* 2: プラン変更は上位プランのみ可。
* 3: 回線は100Mbps共有
気になるポイントは?
主なポイントです。メリットは黄色いアンダーライン、デメリットは赤いアンダーラインで示しています。
- Linux、Windows OSを選べます
- 独自管理画面のほか、Pleskもオプションで利用可能
- WordPress特化型のプランは2プランあり
- プラン変更は上位のみ
- Vシリーズ無料お試しは1GB/2GB/4GBのみ利用できます
- Windows Serverは6G/8G/12GBプランのみ有料で利用可能
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まとめ
「クラウドVPS byGMO」Vシリーズは、LinuxやWindows OSが選べること、複数台構成ができるという自由さ、そしてSLA99.99%や24時間365時間サポートという信頼性の高さという、VPSには欠かせない要素を揃えた仮想専用サーバーです。
Pleskで容易に運用管理
難しい操作が必要なく管理ができるPleskも利用できます。なお、15日間の無料期間については1GB/2GB/4GBプランのみ利用できます。安定性・信頼性を重視する企業・団体にはお勧めのVPSです。
* Windows、WindowsServer、WindowsServer2019、2016、2012R2は米国 Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
*Plesk および Plesk ロゴは、Plesk International GmbH の商標です。
記事作成者プロフィール

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株式会社ストレン 代表取締役社長
MCP,2級知的財産管理技能士
当サイトはホスティング業経験から、レンタルサーバー・ドメイン・ワードプレステーマ/テンプレートを中立の視点から比較評価し、始める・切り替える方の立場に立った情報をお届けします。
【仕事略歴】早稲田大商卒。東証一部精密機器メーカー、レコード会社を経て2000年 動画配信レンタルサービス「ストレン」起業、マイクロソフト認定パートナーとしてサーバー構築・運用・PR等に携わる。2015年、東証グロース上場企業・お客様と合意の上、上場企業移行後に同ビジネス終了、以降はITコンサルティングとして支援に。
【趣味】プロ野球/MLBなどスポーツ、映画・音楽好き(主に洋楽)