WEBサイトをビジネスで利用するため、高速表示ができるレンタルサーバーのニーズが高まっており、さらに昨今では新規のみならずサーバーの見直しによりサイトの引っ越し・移行が増加しています。
国内トップクラスのシェアを獲得している「エックスサーバー」は高速表示に定評があり、さらにビジネスユースに特化した「エックスサーバービジネス」もその信頼性の高さから徐々に利用者を増やしています。当特集では、両サービスの機能の違いなどの比較を行い、自社のビジネスに向くレンタルサーバーはどちらかを分かりやすく解説します。
対象のユーザー・読者
- よりコストパフォーマンスの高いレンタルサーバーを探している企業の方
- 高速表示でユーザビリティを高めたい、SEO対策を手軽に行いたい
- コストをかけてもサポートやセキュリティを重視したい、信頼性を高めたい
エックスサーバーにはどんな種類のサービスがある?
高速サーバーとして定評のあるエックスサーバーは、2004年創業の大阪府大阪市北区に本拠を置くエックスサーバー株式会社が運営するレンタルサーバーサービスです。
大きく分けて一般的なレンタルサーバー「エックスサーバー」、と企業向けに特化した「エックスサーバービジネス」(共用・専用)があります。
- エックスサーバー サイトなど一般的な企業用途
- エックスサーバービジネス セキュリティやサポート機能を高めた一般的な企業・公的団体用途
さらにエックスサーバービジネスには、共用サーバーとサーバー1台を占有して利用できるマネージド専用の(仮想専用・物理専用)もあることに注目です。
一般的なエックスサーバーとエックスサーバービジネス(共用)で当ページでは比較を行っています。
エックスサーバー・エックスサーバービジネス共通の特徴は?
それでは最初に、「エックスサーバー」、「エックスサーバービジネス」の共通する特徴を見てみましょう。3つの大きなポイントがあります。
- 高速環境・技術の導入 nginxやXアクセラレータVer.2など高速化技術の導入
- シンプル操作・簡単な管理画面 すぐに始められる簡単さ・分かりやすさ
- 安心のサポート体制 メール・電話でサポートが受けられる
高速環境・技術の導入
エックスサーバーは高速表示・高速技術には他社サービスと比べても一日の長があり、「エックスサーバー」、「エックスサーバービジネス」ともに高速化のための新技術などを導入しています。
主な高速技術
- 大量の同時アクセスの処理に最適化された静的コンテンツの配信に特化したWebサーバー「nginx」
- PHPやWordPressの処理速度を大幅に向上させた「xアクセラレータVer.2」
- 高速・安全にデータを書き込めるストレージ「SSD/NVMe RAID10構成」
- 最新高性能サーバーを導入し、稼働率99.99%以上の「高可用性」
- サーバーは国内設置・国内最大級のバックボーン回線に10Gbpsで直結している質の高い「ネットワーク環境」
ココがポイント
エックスサーバーのサーバースペックが48コアCPU&1TBメモリ、エックスサーバービジネスのサーバースペックが48コアCPU&512GBメモリ(2021/12/27時点)と、ややエックスサーバーが上回っていますが、共用サーバーの収容人数ではエックスサーバービジネスの方が少ないと思われますので、ほぼ同等のパフォーマンスを実現できるのでは、とみています。利用に当たってはこの点も考慮に入れておきましょう。
シンプル操作・簡単な管理画面
エックスサーバーの管理画面(サーバーパネル)はとてもシンプルで初心者でも利用しやすく設計されており、直感的に操作できます。メールアドレスの発行や、バックアップ、データベースの作成、アクセス制限、サイト転送設定など多様な機能の設定・変更を行えるので集中的なサイト管理が可能となります。
安心のサポート体制
エックスサーバーでは、24時間365日メールでのサポートが受けられますので、休日や夜間に相談できる安心感があります。また、平日限定ですが電話サポートもありますので、より細かい支援を受けることも可能です。電話サポートは、オプションではなく基本サービスなのでとても便利です。
ココがポイント
エックスサーバーのサポートは、外注化されておらず自社で運営していることが強みです。エックスサーバーサービスに精通したサポートスタッフですので、困ったときにも相談しながら安心した運営ができますね。
共通の特徴一覧表
それでは「エックスサーバー」、「エックスサーバービジネス」の共通の特徴を分かりやすいように一覧表にまとめます。
項目 | 機能 | エックスサーバー | エックスサーバービジネス |
スペック関連 | プラン | スタンダード | スタンダード |
形態 | 共用サーバー | 共用サーバー | |
月額料金 *1 | 1,100円 | 4,180円 | |
ディスクスペース | 500GB | 700GB | |
xアクセラレータVer.2 | 〇 | 〇 | |
nginx(エンジンエックス) | 〇 | 〇 | |
稼働率99.99%以上 | 〇 | 〇 | |
セキュリティ関連 | WAF | 〇 | 〇 |
メールセキュリティ | 〇 | 〇 | |
無料独自SSL | 〇 | 〇 | |
サーバー設置場所 | 日本国内 | 日本国内 | |
サポート関連 | 自動バックアップ | 〇 | 〇 |
電話サポート | 〇 | 〇 | |
メールサポート | 〇 | 〇 |
2024年8月22日更新
*1 月額料金は12か月契約の1か月分、税込み表示
価格に違いはありますが、機能・セキュリティ・サポートは同等です。
なお、エックスサーバーは頻繁にキャンペーン・セールを行っていますので、期間中の割引を見て契約するのも一つの方法です。
エックスサーバーとエックスサーバービジネスの違い
「エックスサーバー」、「エックスサーバービジネス」の大きな違いは「エックスサーバービジネス」には法人向けセキュリティ・サポート・サービスがさらにプラスされていることです。
その違いを抜粋して一覧にしてみましょう。
異なる特徴一覧表
項目 | 機能 | エックスサーバー | エックスサーバービジネス |
サービス関連 | 永久無料ドメインプレゼント | 〇 *1 | 〇 |
モリサワ書体のwebフォント | △ *2 | 〇 | |
ホームページ無料制作 | × | 〇 | |
SLA(品質保証制度) | × | 〇 | |
セキュリティ関連 | オプション独自SSL | △ *3 | 〇 |
セコムセキュリティ診断 | 〇 | 〇 | |
Web改ざん検知 | △ *4 | 〇 | |
管理者ユーザー設定 | △ *4 | 〇 | |
サポート関連 設定代行サービス |
サーバー移転 | △ *5 | 〇 |
CMSインストール | △ *5 | 〇 | |
メールアドレス作成 | △ *5 | 〇 | |
独自ドメイン設定 | △ *5 | 〇 | |
サブドメイン設定 | △ *5 | 〇 | |
サーバーのデータ削除 | △ *5 | 〇 |
*1 エックスサーバーはプランにより取得できるドメインが異なります。
*2 エックスサーバーは基本PV 75,000/月。エックスサーバービジネスは無制限。
*3 エックスサーバーは「企業認証SSL」「EV SSL」非対応
*4 エックスサーバー ビジネスプランのみ対応
*5 エックスサーバーでは各作業を有料で代行 ビジネスプランのみ無料設定代行 月3回まで対応
サービス関連では、安定稼働を保証するSLAがエックスサーバービジネスのみに設定されています。また、サイトがない場合は無料で作成してくれるホームページ無料作成サービスも利用することができます。
セキュリティ関連では、サイトの改ざんについて診断を基本サービス内で行ってくれますので、ユーザーに対して信頼性を高めることができます。
サポート関連では、主にサーバー初期設定に関する作業を代行してもらえますので、技術者や管理者がいない企業などには利用価値があります。
このように、エックスサーバーには無く、エックスサーバービジネスのみに有る特徴をよく確認して、自社にメリットがあるかどうかチェックしてみましょう。(一部、個人用エックスサーバーと重複あり)
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まとめ
違いはサポートにあり
ここまで「エックスサーバー」と「エックスサーバービジネス」の比較などを行いました。
いずれも高速表示、管理画面の操作性など機能面は充実しており、長年の運営実績で安定性は確保されています。
一般的な運営には「エックスサーバー」、さらにサポートやセキュリティの確保が必要な場合は「エックスサーバービジネス」と、自社のニーズに合わせてレンタルサーバーを利用するよう心がけることで、必要以上にコストをかけることなく、売り上げやブランディングにいい結果が得られる確率が高くなります。
記事作成者プロフィール
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株式会社ストレン 社長
情報セキュリティマネジメント
2級知的財産管理技能士
ネットショップ実務士レベル2
おすすめ情報サイト「マイベスト」レンタルサーバー・ドメイン監修
当サイトは10年以上のホスティング経験からレンタルサーバー・ドメイン・ワードプレステーマを中立の視点から比較評価し始める・切り替える方の立場に立った情報をお届けします。
【仕事略歴】早稲田大商卒。東証一部精密機器メーカー、レコード会社を経て2000年 動画配信レンタルサービス「ストレン」起業、マイクロソフト認定パートナーとしてサーバー構築・運用・PR等に携わる。
2015年、東証グロース上場企業・お客様と合意の上、上場企業へユーザー移行後に同ビジネス終了、以降はITコンサルティングとして支援に。