ネットショップで高級和菓子などの転売が続出。問題点と今後の課題は?

ネットショップ 高級和菓子などの転売が続出。問題点は?インターネットで販売していない話題の高級和菓子が、なんとか買えないものか?行列に並ぶ時間もないし、少々高くても時間が節約できれば買ってみたい・・・
こういう心理に付け込んで、高級和菓子などをネットで高額転売する問題が起きています。どういった問題や課題があるのか、今後考えなければならないことなどまとめてみます。

● 2022年9月5日追記
2019年7月の情報に基づいて作成しております。当記事は過去記事としてご覧ください。

ついに食品の転売まで

古本の転売に由来するといわれる「背取り」の手法物販では、古本の転売に由来するといわれる「背取り」の手法で、仕入れ価格と販売価格の差額で利益を得る目的で、多くのネット販売が行われているのが現状です。
現在は、転売を禁じる法律がなく、書籍などの転売は原則自由に行えますが、それは商習慣などモラル・常識に反しない限りという前提があると当サイトは考えます。

ところが、ここ最近は書籍など物に限らず人の口に入る食品、生モノでこの転売が行われて問題になっていることがメディアで報道されています。

老舗和菓子店のどら焼きが“高額転売”…「張り倒したい!」店主は怒りあらわに

「定価の10倍で…」和菓子店困惑の転売

銀座の老舗和菓子店に突如降りかかった“転売問題”。 自慢のどら焼きがインターネット上で高額転売されていることが判明した。

Yahoo! FNN.jpプライムオンライン

ココがポイント

ネット販売を行っていない銀座の老舗和菓子店の商品が、ショッピングモールで10倍もの価格で転売されていることを発見。モールに問い合わせても「プライバシーに関わる」ということで販売者情報を教えてもらえず、製造販売会社が転売者から自社商品を購入するという羽目に。賞味期限を越えている可能性もあり怒り心頭・・・

食べ物の転売の問題点

世間で評判の和菓子や洋菓子は、鮮度が重要でおいしくいただける日にちが1・2日ととても短いため、顧客に美味しく安全に召し上がっていただきたいという想いから、あえてネット販売を行っていないケースもあります。

こういう販売側の想いを無視して、転売することの2つの問題点は、鮮度が落ち味が保証できない食品・菓子を売り、ブランドを貶めていること

そして賞味期限を越えるため、その日にちを偽装して販売することでユーザーの健康にリスクを与えることです。

さらに、製造・販売会社が意図しない高額販売をされていてユーザーに金銭的な損害を与えるなど、プラス面は極めて少なく、まずは食品・菓子の転売がこうした問題点を含んでいることを認識しなければなりません。

でも転売を見つけたらショッピングモールに転売ストップをかければいいのでは?と思いますよね。次に各モールの対応を見てみます。

ショッピングモール各社の対応は?

転売は3つの著名なショッピングプラットフォーム-アマゾン・楽天・Yahoo!ショッピングを個人等が契約して販売しているケースが多く見受けられます。

それでは、転売のプラットフォームにもなっている各ショッピングモールの転売に対する対応を違いを見てみましょう。

Amazon :公開していないが個別に対応
楽天 :転売商品は禁止商品に指定
Yahoo!ショッピング :特段の対応なし

3者3様といってもよく、もっとも厳しい対応が楽天で、次のアマゾンは個々のケースには答えてくれませんが個別に対応する可能性があり、もっとも緩いのがYahoo!ショッピングで、現在は転売対策がなされていないのが現状です。

つまり、製造販売会社が自社商品の転売を見つけてモールに通報しても、必ずしも停止してくれるとは限らない、という課題があります。

現状、ストップさせるには間接的方法のみ

それでは転売を停止・削除するにはどうしたらよいのでしょうか?
直接、モールに通報しても停止してもらえないとなれば、自力で停止させるしかありません。

現在の方法としては、転売の事実をSNSなどで広く告知し、「自社で販売していない旨」をユーザーに知っていただく。
そして、SNSユーザーが情報を拡販し問題を顕在化、そしてその問題を放置した場合モールの信用問題にかかわる場合、モール側が対応する可能性が高くなる、といった間接的な方法で転売を削除させることができた実例としてテレビメディアで紹介されています。

ただ、この方法では必ずモール側に転売を削除してもらえるわけではなく、またすべての製造販売会社が対応できませんので、課題が残ります。

問題の課題解決には

ネットショップ 高級和菓子などの転売が続出。問題点はせどりで食品も転売に 規制などでストップチケットの転売では「チケット不正転売禁止法」が施行され、これまで放置され高額転売が社会問題化していたチケット転売には法規制がかかり始めています。そこで残念ではありますが、食べ物など不正転売に何らかの規制を設けて不正転売が発覚した場合には、停止・禁止させる条項を盛り込むことで転売を根絶することも方策です。

さらに、モール側も通報した企業の申告内容が事実であれば、規約を設けて誠実に対応することも重要です。

そしてユーザーが、ネットで転売されているブランド食品を購入する際、販売元をチェックすること、値段が店頭販売に比べて数~十数倍に設定されていないか確認すること、販売責任者が法人ではなく個人になっていないか、なっていた場合は購入を控えるなど、不正転売をビジネスとして成功させないことも不正転売をなくす方法の一つです。

まとめ

法などの規制モール側の規約化ユーザー側の購入姿勢を合わせて実行することで、不正転売を減らし、全ての方がWin-Winになるインターネットビジネス、ネットショッピングの健全な発展が、結果として素晴らしい和菓子・洋菓子を後世に伝えるという食文化を育むことになると考えています。

すべてを同時に行うことは難しいのですが、まずはできることから少しずつ始め、企業やお店が製造する美味しい食品・菓子を楽しめる環境になりますよう、心がけていきたいものです。

記事作成者プロフィール

佃 直毅
佃 直毅株式会社ストレン 代表取締役社長
株式会社ストレン 代表取締役社長
MCP,2級知的財産管理技能士
おすすめ情報サイト「マイベスト」レンタルサーバー・ドメイン監修

当サイトはネットショップ作成サービス/ECカートを中立の視点から比較評価し、始める・切り替える方の立場に立った情報をお届けします。

【仕事略歴】早稲田大商卒。東証一部精密機器メーカー、レコード会社を経て2000年 動画配信レンタルサービス「ストレン」起業、マイクロソフト認定パートナーとしてサーバー構築・運用・PR等に携わる。2015年、東証グロース上場企業・お客様と合意の上、上場企業へユーザー移行後に同ビジネス終了、以降はITコンサルティングとして支援に。

【趣味】プロ野球/MLBなどスポーツ、映画・音楽好き(主に洋楽)