ネットショップの始め方1【心構え編】では、ネットショップを始める前に知っておきたい情報や誤解のポイントなどを解説しましたが、それでは実際にネットショップを始めるとして、どう進めればよいか?ということについて、このページで読み解いていきます。
ファーストステップ:販売する商品・ショップのコンセプトを検討する
ネットショップの要は【商品】です
ネットショップを始めたい動機の一つとして、自分が生み出したオリジナル商品を世に広く知ってもらいたい、というものがあります。
自らの独創性を生かしたファッションやアクセサリーなどのアイテムをネットショップで販売したい、あるいはまだ形にはなっていないけれど、これから自分しか作り出せない商品を創り上げて購入してもらいたいなど、独自商品を国内や世界中で販売するには、ネットショップが適しています。
また、実店舗で販売しているメーカー品、ナショナルブランドを販売して、実店舗売り上げの補完を行いたいという理由からネットショップを始める個人・企業も増加しています。
このように、どのような商品をネットショップで販売したいか、どのような商品がネットユーザーにフィットするかを熟考し、販売する商品について徹底的に考えることが、ネットショップを始めるための第一歩です。
ネット通販で王道のルールである「BEAFの法則」がありますので、これらに照らし合わせて商品について検討を進めてください。
項目 | 具体的な内容 |
Benefit(ユーザーの購入メリット) | 商品利用風景、魅力ある写真を通して商品メリットと得られる将来像を表現 |
Evidence(論拠・事実) | 販売・マスコミ掲載実績、比較サイトの評価、レビューなど「お客様の声」掲載 |
Advantage(利点・優位性) | 商品の品質や価格、機能、ブランド力など競合優位性を掲載 |
Feature(商品の特徴) | 色やサイズ、コンセプト、原材料、素材、成分など商品について解説 |

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コンセプトでネットショップの世界観を表現する
さらに、その商品を販売するショップの個性を引き立たせる「コンセプト」、「アイデンティティ」も欠かせません。
例えば、“子供のころから雑貨が好きで、アルバイトをしながら貯金をしてやっとの思いで独立した地方の女性アーティストが運営する、手作りアクセサリーショップ”や、“日本の伝統工芸品を家族で作ることができるグッズとして未完成で販売し、家族で組み立てたり色を塗って完成させる「伝統工芸を創る文化」を販売する雑貨店”など、思わず応援したくなる個性・コンセプト・アイデンティティに、購入者はファンとなりさらには、長期にわたって購入していただけるコアユーザーになっていただけます。
そして、「コンセプト」を表現する場としてネットショップがありますので、サイトデザインや文章、キャッチコピーなどに大きく影響します。
ネットショップの構築と、顧客の獲得・長期的なファン化のためにも、この段階で「コンセプト」については、様々な角度からしっかりと考え抜いてください。

セカンドステップ:ネットショップを作る・開くサービスを選ぶ
商品やコンセプトについて、ある程度考えが固まってきましたら、ネットショップを立ち上げるためのサービス・ツールを検討しましょう。
ネットショップで商品やサービスを売りたいとき、つまりネット通販を始めたい時はおおまかに3つの方法があります。
- 上級者向け:大手ショッピングモールに入る
- 初級・中級者向け:ショッピングカートを自社サイトに加える
- 初級・中級者向け:ネットショップ作成サービスを利用する


1:上級者向け:大手ショッピングモールに入る
ネットショップといえばまず最初に頭に浮かぶのが、圧倒的な知名度と集客力、そしてポイントやディスカウントセールといった様々な販売施策を行っている楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonといった巨大ショッピングモールでしょう。

楽天市場 | 月額費用シミュレーション 楽天市場出店の資料請求 |
Yahoo!ショッピング | 料金・費用について・月額費用シミュレーション |
アマゾン | 料金プラン |
出店すればある程度の集客が見込めますし、有名大手モールに出店すること自体でブランド価値を上げることに役立つ場合もあります。
しかし大きな問題点は、出店や販促コストがかかり利益を圧迫すること、そして大手ショッピングモールに出店している競合店は、ネットショップ・ECビジネスで成功している、いわゆる“プロフェッショナル”で、これらの競合店との競争となり、検索エンジンでの表示ノウハウやレビュー数、顧客サポートや商品開発・情報収集など同じ土俵で戦って勝たなければその市場内ですら負け組になるという2点です。


2&3:ショッピングカートを自社サイトに加える・ネットショップ作成サービスを利用する
大手ショッピングモールに入らず、独立したネットショップをスタートするには2つの方法があります。
もう1つは、「ネットショプ作成サービス」のプラットフォームに、ネットショップを構築し立ち上げる方法です。
上記のサービスを提供している企業やサービスは数が多く、月額無料~数万円という費用面、機能面の違いもありますので「ネットショップ13社 ショッピングカート料金機能比較」ページでより詳しい情報を個別具体的に確認しましょう。
さらに詳しく
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誰のためのネットショップか、もう一度考えてみる
商品・コンセプト・サービス&ツールを考え選べば、ネットショップはすぐにでもオープンすることができます。
ここで、もう一度立ち止まって“誰のための”ネットショップかを考えてみましょう。
自らの夢を形にしつつ、なおかつユーザーの求めるものを吸い上げ形にして喜んでいただく、この難しい方程式を自然に解け実現できる方は問題ありませんが、多くのネットショップではスタートした後にぶつかる難問でもあります。
絶対に曲げない自分の価値観や世界観などの“背骨”はしっかり持ちつつ、顧客の求めるものを商品に取り入れていく柔軟さ、意見を聞き続ける耳をもって、市場とともに変わることはできるネットショップは、淘汰の波に飲み込まれず成長しながら存続し続ける可能性が高いでしょう。
「実店舗で売れている商品だからネットに出すだけで売れる」と考えずに、ネットに適した売り方、商品で勝負し続ける・行き止まりと気づけば柔軟に変更するという考えを持ち続けましょう。
まとめ
ここがポイント
- 何よりも「商品」が大事、次に「コンセプト」や「世界観」でオンリーワンの存在に
- 自分や自社に適しているネットショップ作成サービス・ECカートを検証しましょう
- 顧客の求めていることと自分が実現したいことの掛け合わせを行い、存続するネットショップに
ネットショップを始めるにあたり、心構え編では事前に知っておきたいことを解説し、このサービス・ツール選択編では、商品やコンセプトを考えること、その内容に適したネットショップ作成サービス・ECカードを選ぶ要点をご説明いたしました。
ネットショップは、ネット上に無数といっていいほど数多くありその中からお客様に選ばれて、購入し続けてもらえるネットショップでなければ存続することは難しいでしょう。また、コストもしっかり頭にいれて長期間運用できる資金計画も立てる必要があります。
初期段階では無料や低コストのネットショップ作成サービスから始め、成長とともに機能が充実したネットショップ作成サービス・ショッピングカートに乗り換えていく戦略が、“ユーザーとの共栄の道”を進んでいく成功への道筋の一つです。
ネットショップ13社 ショッピングカート料金機能比較へ>>>
記事作成者プロフィール

- ITサポート/コンテンツプロデュース
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株式会社ストレン 代表取締役社長
MCP,2級知的財産管理技能士
おすすめ情報サイト「マイベスト」レンタルサーバー・ドメイン監修
当サイトでは、ユーザー視点でネットショップ作成サービス/ECカートの評価をし、これから始めたい・切り替えたい方の立場に立った記事・比較情報をお届けします。
【仕事略歴】早稲田大商卒。東証一部精密機器メーカー、レコード会社を経て独立後、2001年に動画配信(ストリーミングサーバー)レンタルサービス「ストレン」を立ち上げ、マイクロソフト認定パートナーとしてサーバー構築・運用からPRまで全般に携わる。2015年、東証グロース上場企業・お客様と合意のもと、上場企業サービスへ移行していただき同ビジネス終了、以降はITサポート・コンサルティングとして企業の支援に。
【趣味】プロ野球/MLBなどスポーツ、映画・音楽好き(主に洋楽)