
企業や自治体・官公庁や教育機関など高い信頼性が求められるレンタルサーバーとして、KDDI「CPI ビジネススタンダード
」と、NTTPCコミュニケーションズ「WebARENA SuiteX」。レンタルサーバーとして、いずれのサービスもサービス品質保証制度( SLA )で100%保証を行っています。
このページでは、導入に向けて各項目ごとに両サービスを徹底比較します。
基本的な性能比較

ビジネス・サービスを行うにあたり、必要な基本的な性能・機能を比較します。
| CPI ビジネス スタンダード | 項目 | WebARENA SuiteX 400GB | 
|---|---|---|
| SSD 500GB (Web SSD 300GB & メール 200GB)  | 
ストレージ | V2 スタンダードプラン SSD 400GB (Web & メール)  | 
| 5 | データベース MySQL  | 
3 | 
| 無制限 | 転送量目安 | 無制限 | 
| 10個 | マルチドメイン | 10個 | 
| 無制限 | メールアドレス数 | 無制限 | 
| 50個 | FTPアカウント | 無制限 | 
| ○ | WordPress 簡単インストール  | 
○ | 
| Apache | Webサーバー | Apache | 
| ○ | HTTP/2 | × | 
| RAID構成 | RAID構成 | RAID構成 | 
| Ver 7.4/8.0/8.1/8.2/8/3系 | PHP | CGIタイプ Ver 5.1/5.3/5.6/7.2/7.4 モジュールタイプ Ver.5.6  | 
| ○ | アクセスログ | ○ | 
両方のサービスともにインターネット上でサービスを提供する基本的な機能は十分に揃っています。高速化対応としては「CPI ビジネススタンダード
」は、ストレージをSSD化、HTTP/2対応で1秒間に処理できるリクエスト数を大きく向上させ、アクセス集中時の安定性が増しました。
● WEBとメールの分離
「CPI ビジネススタンダード
」の大きな特徴は、ウェブ、メール、コントロールパネルを同一サーバーで運用せず、異なるサーバーに分離していることです。
サーバーを分けることで、利用特性が異なるウェブ、メール、コントロールパネルを、それぞれ適した構成と方法で運用することができます。また個別にアクセスを処理するため、互いのトラフィックに影響を受けることがなくなります。例えば、ウェブサーバーで障害が発生した時も、メールは影響を受けません。
また、「CPI ビジネススタンダード
」はメール配信を強化しており、メールアドレスごとに容量上限設定ができること、そしてメールサーバーを東日本・西日本データセンターで冗長化しており、サーバー停止するリスクをほぼゼロにしています。
ココがポイント
アクセス集中時に、メール・ウェブ双方に影響が出ることを避けることができます。リスク分散にもメリットがあります。
バックアップ機能比較:信頼性の決め手

ハードウェア障害や操作ミス、外部からの攻撃など、まさかの時のデータ消失に備えたバックアップは、サイトの運営・早急な復旧に重要なポイントです。両社のバックアップ機能を比較します。
| CPI ビジネス スタンダード | 項目 | WebARENA SuiteX 400GB | 
|---|---|---|
| ○ * | 運営上 バックアップ  | 
○ | 
| ○ 30世代  | 
標準 バックアップ  | 
○ 1世代 △  | 
| ○ | データベース バックアップ  | 
△ 有料オプション  | 
| ○ | リストア | ○ | 
| △ 有料オプション  | 
外部 バックアップ  | 
× | 
運営上のバックアップは、サービス提供会社がデータの保全を図る目的で実施しているもので、WebARENA SuiteXはサイトで公開しています。
*「CPI ビジネススタンダード
」は、サーバーのRAID構成などでデータ保全を図っています。
ユーザーサイドで利用するバックアップ機能については、CPIが提供する「SmartRelease」で標準バックアップ、リストアともに基本料金内で利用でき、ユーザー側でいつでも操作することが可能です。
操作性について:
「SmartRelease」は自動でウェブ領域(テスト、公開)、データベース領域のバックアップを取得するため、取得漏れを防ぎます。
バックアップファイルはブラウザを通して「SmartRelease」コントロールパネルから確認できるので、バックアップファイル管理も不要になり、さらに「SmartRelease」コントロールパネルからすぐにリストアも迅速に行えます。
ココがポイント
「SmartRelease」では、バックアップのほか公開サーバーと同一のテストサーバー環境で作業を行えて、ボタン一つで公開サーバーへファイル移行が完了します。
セキュリティ比較:安全性の証

企業・公共団体サイトには欠かせないセキュリティについて比較します。
WEBサイト常時SSL化には欠かせないSSLサーバー証明書、WEB系セキュリティ、メールセキュリティの主要機能を抜粋しました。
| CPI ビジネス スタンダード | 項目 | WebARENA SuiteX 400GB | 
|---|---|---|
| ○ CPI SSL 1枚  | 
無料SSLサーバー 証明書  | 
× | 
| ○ | 独自SSLサーバー 証明書  | 
○ | 
| △ ルータ対応  | 
ファイアウォール | ○ | 
| ○ | WAF | △ 各自で手配  | 
| × | IPS (不正侵入検知防御)  | 
○ | 
| × | Dos対策 | ○ | 
| △ オプション Web改ざん検知  | 
マルウェア診断 | ○ Web改ざん検知 5Pまで無料 6P以降オプション  | 
| ○ | ウィルスチェック | ○ | 
| ○ | スパムフィルター | ○ | 
低価格レンタルサーバーには基本的に付属している無料SSL証明書「Let's Encrypt」は、いずれのサービスも提供していませんが、「CPI ビジネススタンダード
」には、国内SSLサーバー証明書「CPI SSL」が、1ドメイン分無料で提供されています。
WEB系セキュリティでは、CPIはWAF(Webアプリケーションファイアウォール)が標準装備、WebARENA SuiteXはIPS、Dos対策が標準装備とサービスブランドによって重点ポイントが異なっています。
WAF は、ファイアウォールや不正侵入検知(IDS/ADS)が防御しきれないウェブアプリケーションの脆弱性に対する攻撃を防御しますので、企業サイトではWAFでセキュリティは確保できます。さらに厳重に運用する場合にIPS、Dos対策を検討するなど、自社のセキュリティポリシーに準じてサービスを検討しましょう。
■ さらに知っておきたい「ASVS」
OWASPアプリケーションセキュリティ検証標準(ASVS)(一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンターへリンク)とは、世界のセキュリティ専門家が集まり、設計・開発・脆弱性診断に必要となる要件を策定した検証標準で、CPIは、第3者のシステムテスト専門業者の診断の結果、厳しい要件を満たしています。
料金比較:コストパフォーマンスの要

次に、「CPI ビジネススタンダード
」と「WebARENA SuiteX」の料金を比較します。
料金はいずれも税込表示、「CPI ビジネススタンダード
」は1年一括支払いの場合の1か月あたりの金額、「WebARENA SuiteX」は、スタンダードプラン「400GB」をクレジットカードで支払った場合の月額料金です。
| CPI ビジネス スタンダード | 項目 | WebARENA SuiteX 400GB | 
|---|---|---|
| 無料 | 初期費用 | 無料 | 
| 4,840円 | 月額費用 | 3,520円 | 
CPI ビジネス スタンダードは、1年一括支払いの場合のみ初期費用が無料になることに注意しましょう。WebARENA SuiteXは、請求書の場合は初期費用3,300円になります。
支払い方法や期間で大きな違いがあり、特にCPIの初期費用は22,000円と大きいので、月額の割引も併せて考えると1年一括にメリットがあります。自社の支払い事情に合わせて検討しましょう。
各サービスごとの料金内訳は下記の通りです。
CPI ビジネス スタンダード
コース分けはなく、支払期間によって初期費用や月当たり金額が変わります。12カ月契約(一括払い)ですと、初期費用はかからず月当たり金額4,840円で最もコストがかかりません。2023年9月15日に価格改定実施です。
| 初期費用 | 月額費用 *1 | 一括払い金額 | 
|---|---|---|
| 無料 | 4,840円 | 58,080円 / 12ヶ月 | 
| 22,000円 | 5,170円 | 31,020円 / 6ヶ月 *初回のみ 53,020円  | 
| 22,000円 | 5,500円 | 16,500円 / 3ヶ月 *初回のみ 38,500円  | 
*1 一括払いを月当たりに換算した金額
*税込表示:最低契約期間は3カ月
*支払期間:一括支払い、前納のみ
*支払方法:銀行振込、クレジットカード決済、Pay-easy
WebARENA SuiteX スタンダード
ディスク容量の違いで「300GB」「400GB」の2つのメニューがあります。
2023年7月1日より、スタンダードプラン300GB 年一括支払いのみ料金変更です。
ここに注意!
「300GB」は最低利用期間が1年なので、年払いしかありません。
| ディスク容量 | 支払方法 | 初期費用 | 年額料金 | 
|---|---|---|---|
| 300GB/年一括払い (メール・Web共用)  | 
クレジットカード | 無料 | 23,975円 | 
| 請求書 | 3,300円 | 23,975円 | 
■ ここに注意!
「400GB」は最低利用期間が3ケ月ですので、月払いができます。
| ディスク容量 | 支払方法 | 初期費用 | 月額料金 | 
|---|---|---|---|
| 400GB/月払い (メール・Web共用)  | 
クレジットカード | 無料 | 3,520円 | 
| 請求書 | 3,300円 | 3,520円 | 
*金額は税込表示です。
SLA(品質保証制度)比較:信頼性の目安

レンタルサーバーの安定稼働を保証するサービス品質保証制度(SLA)について比較します。
| CPI ビジネス スタンダード | 項目 | WebARENA SuiteX 400GB | 
|---|---|---|
| 100% | サービス 品質保証  | 
100% | 
| WEB | 対象サービス | WEB | 
| 1)99.99%~100%未満    5% 2)99.90%~99.99%未満 10% 3)97.99%~99.90%未満 25% 4)90.00%~97.99%未満 50% 5)90.0%未満 100% ※月額利用料を100%とした場合  | 
返金率 | 1)99.99%~100%未満    5% 2)99.90%~99.99%未満 10% 3)97.99%~99.90%未満 25% 4)90.00%~97.99%未満 50% 5)90.0%未満 100% ※月額利用料を100%とした場合  | 
WEBサーバー稼働率が100%を下回った場合、一定の割合で減額します。両サービスともに減額率など差がなく、信頼できるサーバーと言ってもいいでしょう。
サポート比較:安心の理由

それでは両社のサポートサービスについて比較します。
| CPI ビジネス スタンダード 500GB | 項目 | WebARENA SuiteX 400GB | 
|---|---|---|
| 24時間365日有人監視 | 運用監視体制 | 24時間365日有人監視 | 
| ○ |  オンライン マニュアル  | 
○ | 
| ○ | オンライン サポート  | 
○ | 
| × | 電話サポート | × | 
| ○ | メールサポート | ○ | 
| ○ (有料)  | 
24時間365日 TEL&メールサポート  | 
× | 
| 無料・有料 | 移行支援 | 有料 | 
いずれも日本を代表する通信系企業なので運用監視体制は申し分ありません。さらにより安心感のある24時間365日電話&メールサポートは、レンタルサーバーサービスでは数が少なく、CPIでは月額990円(税込)で対応しています。(コロナ対策のためCPIでは電話サポート休止中)
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安定感・信頼性の高さは問題なし
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」と、NTTPCコミュニケーションズ「WebARENA SuiteX」は、それぞれのメリット・特徴がありますので、自社のニーズに合わせてじっくりと検証し、今後のネットビジネスに活かしましょう。
*CPIのロゴは 株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ の商標です。
*WebARENA、SuitePROはNTTPCコミュニケーションズの登録商標です。
記事作成者プロフィール

- 
株式会社ストレン 社長
このサイトでは15年のホスティング経験からレンタルサーバー・ドメイン・ワードプレステーマを中立の視点から比較評価し始める・切り替える方の立場に立った情報をお届けします。
【プロフィール】
広島市出身,早稲田大学商学部卒
情報セキュリティマネジメント,G検定
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