アパレル・ファッションEC市場は好調に推移 ~新型コロナが与えた2・3月売上への影響~

アパレル・ファッションEC市場は好調に推移 ~新型コロナが与えた2・3月売上への影響~

新型コロナウイルスが、アパレル・ファッション系ECにどのような影響を与えたのか?アパレル・ファッション業界情報サイト「アパレルウェブ」の調査では、実店舗からECへユーザーが移行していることが分かりましたので、詳しく見てみましょう。

調査概要

調査タイトル :2020年度ファッション企業における自社ECの推移
調査対象 :株式会社アパレルウェブの取引先を中心としたファッション企業
調査日時 :2020年2月3日~3月29日、2019年2月4日~3月31日の比較
調査方法 :Googleアナリティクスからの数値集計による調査
母数全体、アパレル系EC、ファッション雑貨系ECに分類した傾向調査

アパレル・ファッション系EC全体の推移

それでは業界全体のECサイト推移を確認します。

アパレル・ファッション系EC全体の推移

売上」「訪問回数」「購入率」ともに、ほぼ前年を上回り好調に推移していますが、「客単価」のみ2月3週以降は100%を下回っています
客単価はユーザー一人当たりの購入金額を示しており、アパレルウェブではセールの前倒し実施が影響したのでは、と分析しています。

ココがポイント

コロナショックが本格化した3月に入っても売上などがアップしていることは、ECのみならず景気全体にとっては明るい傾向ですが、一方で、客単価が落ちていますので節約志向が高まっていることは気がかりです。

アパレル系ECの推移

次に、アパレル系ECサイトを見てみましょう。

アパレル系ECの推移

2月3週には「売上」「購入率」「客単価」3項目で落ち込みが見られますが、3月2週以降は「売上」「訪問回数」「購入率」で前年を2ケタ台で上回っています。
同時期には実店舗が壊滅的な影響を受けている状況下で、ECサイトの売上・訪問回数が増えていることは、外出自粛に伴い実店舗からECにシフトしていることを表しています。

ココがポイント

アパレル系では、「売上」「訪問回数」「購入率」の上昇を描くグラフと、「客単価」の100%以下で低迷するグラフの違いが明確になっています。

ファッション雑貨系ECの推移

最後に、靴・鞄・アクセサリー・小物などファッション雑貨系ECサイトの動向を確認します。

ファッション雑貨系ECの推移

2月3週で全4項目が100%を下回りましたが、3月2週に実施されたクーポンやコラボレーションアイテムの販売施策などで「売上」が150%、「購入率」が137%と大幅にアップしています。3月3週は反動減となりましたが、3月4週で回復しました。

ココがポイント

ファッション系と比較しますと、雑貨系はグラフの波が激しくなっていますが、3月4週で「売上」「訪問回数」「購入率」3項目が前年比越えとなっており、実店舗の売り上げ減をある程度吸収しているのではと考えられます。また「客単価」の減少は、ファッション系に比べると軽微という結果になっています。

出典

アパレルウェブ

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まとめ

先を見て行動する

コロナショックで実店舗が受けた影響は極めて大きく、ECですべてカバーできるとまでは言えませんが、少なくともユーザーのECでの購買意欲はあり、ECが実店舗の売り上げの補完になっていることは確認できました。

新型コロナの影響は、ワクチンが開発され広まるまでは完全に終息しませんので、ECという非接触のビジネスが2020年以降、アパレル・ファッション市場をけん引していくと考えられます。