自宅などにいながらお手軽に商品を購入できる通信販売が順調に成長しています。公益社団法人 日本通信販売協会が2020年度の通販市場売上高の速報値、つまり市場規模の独自調査を行い2021年8月に公表しました。数値はどうなっているのか、その内容についてチェックしてみましょう。
調査概要
調査期間:2021年6月24日~ 2021年8月13日
特徴:衣料品や雑貨、化粧品、健康食品などの物販が中心
公益社団法人 日本通信販売協会とは?
1983年に設立された公益法人で「公益社団法人 日本通信販売協会」はJADMA(ジャドマ)とも呼ばれています。
通信販売業界の健全な発展と、消費者の信頼を得るための活動、例えば消費者窓口での相談や、倫理綱領・ガイドラインの制定と会員企業への周知徹底、法改正や業界に関連する規制についてのセミナー・説明会、そして業界調査研究などを継続して行っています。
2021年8月25日現在で、正会員432社を含む606社が所属しています。
ココがポイント
通販サイトやテレビショッピングで、時々JADMAマークを見ることがありますね。これは日本通信販売協会正会員が使用できるマークで、消費者に対して信頼感や安心感を高める活動の一環として実施しています。
通販市場は拡大を継続中
2020年度の通販全体の売上高は10兆6,300億円、対前年比で20.1%の増加となっており1982年から実施されている当調査では初めてとなる20%台の伸長を記録しました。
2020年度の売上高はここ10年の平均成長率8.7%を大幅に上回っているうえに、22年連続増加も継続中と、通信販売市場の着実な成長をこのグラフを通して確認することができます。
要因としては、コロナ禍で外出が大きく減ったため自宅で過ごす時間が増え、さらに自宅にいたまま充実した環境を作るべくすべての分野で通信販売の売り上げを伸ばしたと考えられます。
特に、インターネット通販ではアマゾンや楽天市場などのモール系が堅調に推移したこと、そしてエアコンや空気清浄機、掃除機などの家電系・食生活を豊かにするための全国の食材や配送で持参してくれるコメ・飲料水など食品系が特に売り上げを伸ばし、在宅時間を充実させるための商品(物販)が特に目立った動きを示していました。
注目するポイントは?
今回の調査結果で注意するポイントは下記の3点です。
- 金融や旅行などのサービスは含んでいません
- ネット通販に限らず通信販売全体の数値です
- 日本通信販売協会会員以外のデータも含まれています
この調査では、特にインターネット系で強い株式やFX・保険などの金融サービス、旅行などのサービス系は含まれていません。
電子商取引・ECに絞って調査したデータは下記になります。市場調査は1つに限らず、様々な角度から調べた複数のデータ・調査結果を精査して、市場全体の動向と将来像を描くことがビジネスにとって重要です。
出典
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まとめ
通販市場はまだまだ成長中
物販に限った通販市場ではありますが、10兆円を突破と拡大の勢いを強めています。ただしアフターコロナでは巣ごもり消費の鈍化や外出したいという消費者に意識の変化などから、大きな変動が予想されます。
また、この調査にはサービス系の売り上げが含まれていませんので、これらの数字の動きも要注意です。
事業者としては様々な調査・データに目配せをして、次の時代にしっかり備えておくこと、考えを常に巡らせておくことが生き残りと成長には欠かせません。