スマホ経由のネット通販市場は2020年に4兆円突破 “あの業界”と同規模に

スマホ経由のネット通販市場は2020年に4兆円突破 “あの業界”と同規模に今後成長が見込まれるネット通販・EC市場と、通信販売全体の市場調査結果を株式会社富士経済が発表し、「通販・eコマースビジネスの実態と今後2019」を一部公開しました。
今後の将来予測は?、成長が見込まれる分野は?など興味深い点もありますので、発表の内容や当社の見解を交えて、主なポイントを見ていきます。

通販市場の内訳

通販市場全体グラフ

物販の通信販売は、ECEC以外に分けられます。上記のグラフは両方を合わせた通販全体の市場規模と、ECEC以外それぞれの市場規模が表示されています。

EC(PC・タブレットPC・スマートフォン・フィーチャーフォン)

EC以外(カタログ通販・テレビ通販・ラジオ通販・その他)

通販市場全体を同規模の他業界と比べてみる

それではECEC以外を合わせた通販市場全体を見てみますと、2011年には6兆円に過ぎなかったのですが2017年には10兆円を突破し、2020年の予測では12兆円到達の可能性も出てきています。

ちなみに10兆円規模の市場としては、コンビニ業界が約10兆9千億円(2018年全店ベースの年間売上高)で、2017年には通販全体でコンビニ業界と拮抗しています。

また2020年に予測されている12兆円と同規模の業界としては、スーパー業界が約12兆9千億円(2018年 総販売数)で、2020年には日本を代表する流通業界に匹敵する規模となることが見込まれています。

2020年にはスーパー業界と通信販売業界は肩を並べる

EC市場を同規模の他業界と比べてみる

それでは、通販の一部を占めるEC市場はどの程度成長が見込まれているのでしょうか?

2017年にはECのみで8兆円に到達し、2020年には10兆円突破すると予測されています。特に、その中でスマートフォン経由の通販の伸びが著しく、2020年にはスマートフォン経由のECのみで4兆1千億を越えると見込まれています。

日本国内の4兆円前後の市場としては、放送業界が3兆9千億円(2016年度 放送事業収入及び放送事業外収入を含めた放送事業者全体の売上高)、ホームセンター業界が同じく3兆9千億円(2016年度 総売上高)があり、放送・ホームセンター業界をスマホのみのECで越えるというインパクトは、大きなものがあります。

ネット通販に強い商品・カテゴリーを見てみると

さらにネット通販・ECの中を見てみましょう。
どの商品やカテゴリーがネット通販で強いのか、将来性があるのは何か?が分かるデータです。

ネット通販・ECの商品カテゴリー別構成比

ネットに向いている商品・カテゴリーは?

通販全体におけるEC(ネット通販)の割合で見ますと、書籍・ソフトが98.9%でほぼネットで売られている状況です。次に、家電製品・パソコンも92.3%と高く、ここまでは予想どおりですが、生活雑貨が88.0%と9割に迫っています。

当社の見解としてはスマホの普及と通販アプリの浸透で、ネット通販で身の回りの物を購入する度合いが増え、サイズや効果など失敗するリスクの少ない生活雑貨が増えたこと、アプリなどの品質が向上し商品の見せ方が豊かになったことが理由と見ています。

将来の成長余地がある商品・カテゴリーは?

次に、EC化率が低く今後の増加が見込まれる商品・カテゴリーとしては、アパレルが挙げられます。通販全体の市場規模が大きいため、残り約2割を埋めたとしても4000億程の余地が残されており、ビジネスとしてのメリットがあります。

ECではアパレルが成長の余地あり

なお健康食品・医薬品はEC化率が43.6%と最も低く、シンプルにみれば最も成長余地のある分野ですが、薬事法など法律の制限や企業側のモラルの問題があり、業界の健全なECでの成長をまず優先して進めていくことが大切でしょう。

出典

株式会社富士経済

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まとめ

スマホユーザーがさらに拡大見込み

社会の動きと通販・ECの動きは大きくかかわっていますので、ニュースや市場分析などの情報に関心を持って、分析することがこれからのマーケティングには重要です。

たとえば、全国的な書店の減少やゾゾタウンからの撤退と独自ネットショップの立ち上げ、ネットショップ作成サービスの無料化によるECの増加などは、特にECに関連しています。

ネット通販が増えるというトレンドはこれからも続きますので、ネットショップを始める、EC関連ビジネスを充実させるなどして今後に活かしてまいりましょう。