ECサイトの決済方法は何が伸びて、何が減っているのか気になるポイントでもあります。
ソフトバンク株式会社の子会社 SBペイメントサービス株式会社は、5回目となるECサイト(物販、デジタルコンテンツ)での決済手段の利用実態アンケート調査を実施し2024年7月18日に公開をしました。
調査概要
調査名:ECサイトで物品・デジタルコンテンツを購入する際の決済手段調査
調査方法:インターネットリサーチ
調査地域:全国
実施期間:2024年5月20日~6月6日
対 象:1年以内に物販サイトで何らかの商品を購入した10~80代の男女2,866人
1年以内にデジタルコンテンツを購入した10~80代の男女2,350人
調査元: SBペイメントサービス株式会社
調査結果の概要は?
決済方法についてのサマリーを引用し、概要を短時間でざっとつかみましょう。
●よく利用する決済手段は男女ともに「クレジットカード決済」が1位、「PayPay(オンライン決済)」が2位
●10代には「PayPay(オンライン決済)」が人気で、男女によって利用動向は異なる
●2018年からの6年間でクレジットカード決済を最も利用する割合が物品購入時19.3%、デジタルコンテンツ購入時26.2%減少
●よく利用する決済手段がない場合、男女ともに55%以上が購入せず離脱する
●ユーザーはキャッシュレス決済に金銭的なベネフィットを求めるSBペイメントサービス株式会社
物販・デジコンで利用する決済方法
最初に、ECサイトで物販とデジタルコンテンツを購入する時、よく利用する決済手段について質問した結果です。
引用:SBペイメントサービス株式会社 以下複数素材
男女いずれも1位「クレジットカード決済」(48%以上)、2位「PayPay(オンライン決済)」(21%以上)となっています。
男性3位が「楽天ペイ(オンライン決済)」(約14%)、女性3位の物品購入は「コンビニ決済」(12.1%)、デジタルコンテンツ購入の場合は「キャリア決済」です。(11.7%)
ココがポイント
クレジット決済は不動の1位ですが、3位以下に男女でばらつきがみられます。男性に「楽天ペイ」が人気であることが分かりました。
物販で利用する決済方法
次に、ECサイトで物販に限って利用する決済方法を男女別で聞いたところ、以下の結果となっています。
10代女性では「PayPay(オンライン決済)」が37%と1位になっていることが注目点です。
男性20代以降で「楽天ペイ」、女性30代以外で「コンビニ決済」が選ばれるなど男女で決済手段の利用動向が異なること、そして男女とも年代が上がるごとに「クレジットカード決済」の割合が高くなっています。
デジタルコンテンツで利用する決済方法
次に、ECサイトでデジタルコンテンツに限って利用する決済方法を男女別で聞いたところ、以下の結果となっています。
デジタルコンテンツにおいては、10代男女ともに「PayPay(オンライン決済)」が28%以上と1位となっています。
男性20~40代では「楽天ペイ(オンライン決済)」、男性10代と60代以上では「Google Pay」、一方女性20~50代では「キャリア決済」も選ばれています。
そして男女とも年代が上がれば「クレジットカード決済」の割合が高くなる傾向にかわりはありません。
ココがポイント
スマートフォンでスムーズに決済できる利便性など、デジタルコンテンツサイトとの親和性が高さがQRコード決済の増加につながっていると考えられます。
過去6年間で最も利用する決済方法
そして、2018年からの6年間で物販・デジタルコンテンツの購入で最も利用する決済方法を聞いたところ、以下の結果となりました。
2018年から2024年にかけて物品購入では、「クレジットカード決済」が約19.3%減少、デジタルコンテンツ購入では26.2%減少しています。また「コンビニ決済」も年々減少傾向にあります。
物品購入では「PayPay(オンライン決済)」「楽天ペイ(オンライン決済)」「au Pay(ネット支払い)」「ポイント決済」「Amazon Pay」の割合が伸びています。
デジタルコンテンツ購入では「PayPay(オンライン決済)」「楽天ペイ(オンライン決済)」「Apple Pay」「Google Pay」「ポイント決済」が伸びており、「キャリア決済」も継続して利用さされています。
ココがポイント
圧倒的1位を続けていた「クレジットカード決済」の減少傾向に歯止めがかからず、コンビニ決済も減らすという結果です。どの決済方法が伸びているか、男女での決済方法の人気の違いなど、しっかりインプットしておきたいところです。
決済手段不足によるサイト離脱率
それでは、利用したい決済方法がない場合、どれくらいの割合でサイトを離れるか、ショッピングを止めるかについて聞いた結果です。
物品とデジタルコンテンツどちらの購入でも、55%以上がそのECサイトから購入せず離脱することなど、2022年度よりも増加傾向にあります。
ココがポイント
離脱した32%以上の人は、他のECサイトや実店舗で購入する意向がありますので、購買意欲が高い人を決済手段が原因で取り逃がしている、逆に言えばニーズに応じた決済手段があれば購買率を上げる可能性が高いということです。
キャッシュレス決済に求めるもの
最後に、ECサイトで物品やデジタルコンテンツを購入するときに、キャッシュレス決済にどういったサービスや機能が欲しいか、質問した結果は以下の通りです。
キャッシュレス決済には、支払い完了までの手間が少ない、支払いスピードが速いよいう利便性・機能性より、ポイント還元率の高さや手数料無料といった金銭的なベネフィットが求められています。
ココがポイント
実質賃金が減り続け、物価が上がっている昨今では、ユーザーのコスト意識はとても高いものがあります。高いポイント還元率、各種手数料がかからないキャッシュレス決済が、今後も着実に成長を続けていくでしょう
出典
SBペイメントサービス株式会社
プレスリリース
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まとめ
動向を注視
マーケットの変化は、少しづつ起きて、ある日突然大きく動き始めるもの。
クレジットカードの利用者数の減少は、いよいよ決済方法で大きな変化が起き始めている可能性もあります。
ネットショップとしては、決済方法のトレンドをしっかりつかんで準備しておく、ニーズのある決済方法がないことからお客様を逃さない、といった点でこの調査結果を活かしていきたいところです。