スマートフォンでQRコードを読み込んで支払いをする「QRコード決済」サービスが、急拡大中です。ネット系企業を中心に、「○○ペイ」というサービスが数多く立ち上がり、やや乱戦気味ですね。
どのサービスが知られているのか、どのサービスが使われているのか・・・?
今回は、2019年7月10日に公開されたMMD研究所「QRコード決済利用動向調査」をもとに解説します。
今、おもに利用している支払方法は?
普段、使っている支払方法を18歳から69歳の男女30,000人を対象に聞いたところ、「現金」が93%と最も多く、「クレジットカード」72.3%、「カード型の交通系電子マネー」29.7%と続き、「モバイル決済」は14.3%という結果でした。
QRコード決済の認知・利用について
次に、どのくらい知られていて、利用されているかの分析です。「認知」つまり知っている方は、84.8%もいらっしゃるのですが、「利用経験」一度でも使ったことのある方は19.1%となっています。
ファネル分析とは、ざっくり言うと「逆三角形」でその途中で離脱した部分を分析すること、例えばこのグラフでいいますと、「認知」84.8%に対して「利用経験」19.1%となっていて、65.7%の方は知っているけど使ったことはない、ということがわかります。
サービス提供企業は、この65.7%の方にQRコード決済を使ってもらえるようマーケティングを行っていくということになりますね。
知っているQRコード決済サービスは?
それでは、知られているサービスは?という質問には、1位「PayPay」70.4%、2位「楽天ペイ」61.9%、3位「LINE Pay」59.7%という結果となりました。
TVCMを中心としたマーケティングが功を奏している部分もありますが、「PayPay」は初回のキャンペーンが地上波のニュースでも大々的に取り上げられたなど特にインパクトがあり、認知度アップに効果があったのではとみています。
使ったことがあるQRコード決済サービスは?
実際に利用したことのあるサービスとしては、1位「PayPay」43.2%、2位「LINE Pay」35.5%、3位「楽天ペイ」34.4%となりました。前項の知っているサービスとは、2位と3位が入れ替わっています。
認知度・利用度ともに3強の「PayPay」「LINE Pay」「楽天ペイ」が頭一つ抜けていて上位を占めています。
最も利用するQRコード決済サービスの開始時期は?
最後に、よく使うサービスを始めた時期についての質問では、2019年1月~6月がもっとも多く、3強以外にも「au PAY」「メルペイ」の利用者も増えています。
「PayPay」「LINE Pay」「楽天ペイ」に加えて、資金力のあるキャリア系の「d払い」「au PAY」とトレンドに乗れば強いフリマ系「メルペイ」も直近の利用者を増やしています。
出典
MMD研究所「QRコード決済利用動向調査」
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まとめ
今後の伸びしろあり
これまで見てきましたように、「QRコード決済」は知られたサービスにはなってきましたが、実際の利用にまで至っていないケースが見受けられます。
そして、ここ一年で使い始める方も増えていますので、サービス提供会社は特にセキュリティについてシステムや運用体制を強化することで、ユーザーが安心して使える環境を作ることが最優先です。
次に、初期登録をシンプルにすること、アプリの立ち上げの手間を解消することなど利便性向上は技術開発で対応すれば、交通系マネーのように決済手段として使われる可能性は高くなります。
「QRコード決済」は乱立気味で淘汰は避けられませんし、ネットショップ運営者としてもユーザー側としてもサービス提供企業の今後の動向に注目しておかなければならないでしょう。