アマゾン・楽天市場・Yahoo!ショッピングのいわゆる3大通販サイトを技術者視点で調査したデータを日本経済新聞・日経 xTECHが2019年9月4日に発表しました。ネットショッピングをするユーザーではなく、構築する側のIT系技術者のアンケート結果には、単独のネットショップ運営者にも役立つ情報が多く含まれていますので解説します。
よく利用するECサイトは?
3大通販サイトは、インターフェースや検索性能、レコメンドやレビューなど、ユーザビリティを高めるための改善を積み重ねており、非常に使いやすくなっています。それではシステムを作る側の技術者は、普段どのECサイトを使っているかのアンケート結果です。
出所:日本経済新聞
全回答者数254人のうち、230人が最もよく利用しているECサイトはアマゾンで90.6%。続いて楽天市場の56.7%、そしてYahoo!ショッピングの26.8%となっています。(複数回答)
さらに、メインとして利用しているECサイトを一つに絞った場合は、アマゾン73.5%、楽天市場21.3%、Yahoo!ショッピング5.2%と、アマゾンの強さが際立っています。
ECサイトを評価するポイントは?
それでは、どいうったポイントを評価しているのかを項目ごとに聞いた結果です。
もっとも評価の高い機能・項目は「検索精度の高さ」で的確な商品を探し出せること、複数ワードでも検索可能であることなど、特にアマゾンでの検索は評価が高い傾向にあります。
そして「商品を比較しやすい」もアマゾンでの高く評価され、この要因は販売している商品の分類方法に大きく影響を受けています。
なぜアマゾンで検索精度が高いのかは、アマゾンのマーケットプレイス型商品カテゴライズは管理者側での分類が厳密かつ容易な半面、楽天やYahoo!のようなテナント型では出店社に委ねられる点で、精度の違いが出てくると分析されています。
独立したネットショップ運営者が気をつけたいポイントは?
上記の評価する機能のアンケート項目には、3大通販サイトのような大規模事業者だからこそできる「検索精度」「商品を比較しやすい」「スマホアプリ」「レコメンド(欲しい商品を勧められる)」が含まっています。
それでは、大手ショッピングモールに入らず単独でネットショップを運営している個人・企業が、このアンケートから受け取れるプラス情報としては、以下の3点が挙げられます。
- 商品の画像が見やすい
- 画像表示のレスポンスが早い
- 注文をキャンセルしやすい
まずは1,2の画像についてのポイントを見ていきましょう。
商品画像の再度見直しを
ネットショップの最重要ポイントともいえる「写真」「画像」については、見やすさと表示の早さについての項目が、高く評価されています。
単独のネットショップ運営者でできる改善は、素材のレベルアップと環境の変更があります。
見やすさの改善方法
見やすさについては、顧客視点でその商品が見た瞬間に認識できるか、売り手視点に陥っていないか、画質・色彩・明度などは適切か、そして画像の構図を理解して撮影しているかなど、周りの意見も取り入れながら継続して見直し、顧客が分かり、欲しくなるような写真に差し替えていってください。
表示の早さの改善方法
単独のネットショップ運営者が、画像の表示速度を改善する方法としては大きく3つです。
1:撮影した画像を小さく加工する
2:WordPressを利用している場合はプラグインでデータ削減をする
3:利用しているレンタルサーバーやショッピングカードを高速表示できるサービスに切り替える、あるいはプラスする
キャンセル対応オペレーションの再確認
現在は、無料系のネットショップ作成サービスや、有料ショッピングカートが豊富にあり、機能面でも大手ショッピングモールに引けを取らないくらい充実しています。
今回のアンケートでも重要な項目でもある「注文をキャンセルしやすい」についても、システム的・技術的な問題は、ほぼないと考えられます。
大切なのは早さと相手への思いやり
安心して顧客にネットショッピングを楽しんでもらうためには、仮にキャンセルがあったとしてもクイックレスポンスを心がけること、受け手の気持ちでキャンセルに対するメールを作成することという、オペレーションの重要さが再認識できます。
とくに昨今、商品を送ってこないショップなどが問題となっており、キャンセルについてのオペレーションは、自社ネットショップが安心安全であること、次のショッピングは信頼して購入してもらえることの証明にもなります。
ネットショップ運営者は、無料系のネットショップ作成サービス・有料ショッピングカートのキャンセル機能の再確認を行って便利に使用できるか、そしてキャンセルを受け取ったあとは、迅速にそして安心感のあるメール・対応を心掛けるオペレーションの再確認を行いましょう。
出典
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まとめ
運用のヒントに
日本経済新聞・日経 xTECHの今回の調査は、大手ECサイトについてのデータですが、個別でネットショップ・ショッピングサイトを運営している個人・企業が活用できるポイントも含まれています。
「いま公開している素材をさらに見やすく、わかりやすくするにはどうしたらいいか?」「キャンセルが来たら時間を空けて対応していた」などもう一度ショップ運営を見直しきっかけにして、サイトの改善・修正を行うことで売り上げアップと信頼性の向上に役立ててください。
記事作成者プロフィール
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ネットショップ実務士レベル2
情報セキュリティマネジメント
2級知的財産管理技能士
おすすめ情報サイト「マイベスト」レンタルサーバー・ドメイン監修
当サイトはネットショップ作成サービス/ECカートを中立の視点から比較評価し、始める・切り替える方の立場に立った情報をお届けします。
【仕事略歴】早稲田大商卒。東証一部精密機器メーカー、レコード会社を経て2000年 動画配信レンタルサービス「ストレン」起業、マイクロソフト認定パートナーとしてサーバー構築・運用・PR等に携わる。2015年、東証グロース上場企業・お客様と合意の上、上場企業へユーザー移行後に同ビジネス終了、以降はITコンサルティングとして支援に。
【趣味】プロ野球/MLBなどスポーツ、映画・音楽好き(主に洋楽)